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ガソリン価格、補助金が消えれば年末に200円突破も…「向こう2年は高値安定の可能性」と専門家
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.24 16:42 最終更新日:2023.08.24 16:50
石油情報センターは、8月23日、レギュラーガソリンの小売価格が21日の時点で全国平均1リットルあたり183.7円となり、先週から1.8円値上がりしたことを発表した。
「値上がりは14週連続で、2008年8月につけた185.1円以来の高値が続いています。国からの補助金が、今年1月以降、段階的に縮小されていること、産油国のサウジアラビアが原油の自主的な追加減産を延長すると発表したこと、そして円安にともない、輸入価格が上昇したことがおもな理由です」(経済担当記者)
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今後、ガソリン価格は天井知らずで値上がりするのだろうか。経済評論家の加谷珪一氏に聞いた。
「ガソリン価格は基本的に原油価格と為替相場という2つの要因で決まります。
今年に入って原油価格は落ち着いていますが、為替は円安が進んでいます。円安は日銀の金融政策による影響が大きいですから、日銀が政策転換しない限り、円安は続くでしょう。したがって、ガソリン価格も高止まりすることになります」
年末には、補助金がなければレギュラーガソリンは1リットルあたり200円を突破するとも言われる。加谷氏も「9月末で補助が終了した段階で190円台、年末までに200円を突破する」と予測する。
岸田首相は補助金の継続も視野に入れているが、仮に予定どおり補助金が終了すれば、1~2年先までガソリン価格は高止まりしそうだ。
「原油価格については、サウジアラビアが減産の方針を示しており、価格が上がると予想する専門家が増えています。また、日銀が政策転換する見通しは低いですから、当面は円安が続くと見る専門家が多くなっています。したがって、1~2年のタームでも、価格が高止まりする可能性が高いと思います」(加谷氏)
抜本的にガソリン高に対処するには、為替を円高にするか、賃金を大幅に上げるしか方法はないという。
「円高については、大規模緩和策を終了し、金利を上げれば円高になる可能性は高いと考えられます。しかし、自民党ではアベノミクス継続を強く主張するグループの力が強く、政策を転換するには、この人たちを説得する必要があります。
また金利を上げると住宅ローンの破産者が増えたり、企業倒産が増えるといった悪影響もありますから、その対策も必要となるでしょう。
賃金については、企業の収益が拡大しないと賃金は上がりません。諸外国にくらべて低く推移している日本企業の生産性を高める必要がありますが、生産性の向上には時間がかかります。
1年程度では効果は得られない可能性が高いと思いますので、当面は補助の延長で乗り切り、日銀の政策転換や企業の体質改善を進めたあと、抜本的な対策を打つことが必要となります」
長い道のりになりそうだ。
( SmartFLASH )