社会・政治社会・政治

「処理水海洋放出」に大騒ぎの中国で起きている塩“爆買い”騒動「放射線に効果あり」と客同士が奪い合い

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.26 18:28 最終更新日:2023.08.26 18:51

「処理水海洋放出」に大騒ぎの中国で起きている塩“爆買い”騒動「放射線に効果あり」と客同士が奪い合い

袋が破れたのか、床に塩が散乱した店内(SNSより)

 

 日本政府は8月24日、福島第1原発の処理水の海洋放出を開始した。放出期間は30年に及ぶが、日本政府は「環境や人体への影響は考えられない」との立場だ。国際原子力機関も「国際的な安全基準に合致している」と、妥当性を認めている。

 

 だが、この処理水を「汚染水」だとして、海洋放出に激しく憤っているのが中国だ。日本の処理水放出を受け、中国は科学的根拠を示さないまま、日本産水産物の輸入を全面停止した。24日には日本政府が駐日中国大使に電話で抗議し、即時撤廃を要求。緊迫した状況が日中間に漂っている。

 

 

 一方、中国現地では混乱が生じているという。香港在住のジャーナリスト・角脇久志氏が解説する。

 

「中国のニュースでは、市民による塩の“爆買い”が報じられています。

 

 もともと、22日に日本が処理水の放出を決定した際から、この騒動は始まっていました。この日、中国と韓国で製塩関係会社の株が高騰しているんです。

 

 というのも、現地では、塩が放射能に対して効能がある、という通説が流布されており、大きな購買が期待されたからです。韓国の株価市場では、製塩関係会社であるInsanの株価が一時30%、大象ホールディングスは9%の株価上昇を記録したと報じられています」

 

 はたして、24日の放出を受けて、中国では塩の買い占めが現実に発生しているという。角脇氏が続ける。

 

「スーパーなどでは、奪い合いにまで発展したところもあるようです。じつはこの現象は、2011年の福島第1原発事故の発生時にも見られました。中国の塩は完全精製ではなく、ヨード分が添加されています。それが、体内の放射線除去に効果があると信じられているのです」

 

 現地の様子は、すでにネット上で拡散されている。本誌が確認した動画では、塩を買い占めるためだろうか、スーパーのレジに長蛇の列ができる様子が映っていた。さらに、塩を箱買いする客、奪い合いの末に塩の袋が破れたのか、床に塩が散乱する様子まで記録されていた。

 

 日本への反発が続いている「処理水海洋放出問題」。24日には、香港で日本への抗議デモがおこなわれたことも報じられた。科学的な根拠もなく大騒ぎするのは、国家も国民も同じということか……。

( SmartFLASH )

続きを見る

今、あなたにおすすめの記事

社会・政治一覧をもっと見る