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岸田首相に集まる「外交力ゼロ」評価 外務大臣歴4年7カ月、“親中派”の代表が処理水問題で対応後手続き

社会・政治 投稿日:2023.09.05 17:00FLASH編集部

岸田首相に集まる「外交力ゼロ」評価 外務大臣歴4年7カ月、“親中派”の代表が処理水問題で対応後手続き

9月5日、インドネシアへの出発を前に記者団の取材に応じる岸田文雄首相(写真・時事通信)

 

 9月5日、岸田文雄首相は、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席するため、インドネシアに向け出発した。中国からは李強(リー・チャン)首相が参加し、会議で顔をあわせる。

 

 首相は出発に先立ち、東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出をめぐり、「さまざまなマルチの会談や首脳会談を通じ、我が国の取り組みについて理解や協力が得られるよう、説明を尽くしていきたい」と強調した。

 

 

 岸田首相は著書『岸田ビジョン 分断から協調へ』(講談社)で、こう述べている。

 

外交・安全保障の分野では、私以上に経験豊かな政治家はあまり見当たらないと自負しています。

 

 専任の外務大臣としては戦後最長の4年7カ月にわたって務め、一時は防衛大臣も兼務した経験は、政治家として非常に大きな財産となりました。》

 

 2012年12月に発足した第2次安倍内閣で、岸田氏は外相として入閣。同年10月、古賀誠氏の政界引退を受け、宏池会の会長に就任したことが、入閣に大きく影響したといわれている。

 

 自身が会長を務める宏池会に関して、岸田氏は前出の著書で、中国の王毅外相とのエピソードを明かしている。

 

《あるとき、通訳も交えずに外相同士別室で話そうということになりました。二人きりになると、王毅外相は突然流暢な日本語で、こう語りかけてきたのです。

 

「いまの日中関係は大変な状況にある。岸田さん、あなたは宏池会の人でしょ。宏池会であれば、中国との関係は大事にするはずだ」

 

 王毅外相が日本語に堪能であることは知っていましたが、周りに中国の関係者がいれば彼は絶対に日本語は口にしません。その王毅さんが、日本語で「宏池会」と口にしました。

 

「宏池会をご存知でしたか。いまの宏池会の会長は私です」

 

「宏池会の会長でしたか!」

 

 時間にして数分ですが、すべて日本語でのやりとりで、互いに握手をして別れました。》

 

 8月30日、首相は自民党の二階俊博元幹事長と会談。「日中関係は難しい状況だが、対話は切らしたくない。中国と話ができるのは二階先生しかいない」と、訪中を要請した。

 

 二階氏は、超党派の日中友好議員連盟会長として、9月にも訪中する方向だった。だが、福島第一原発の処理水海洋放出への、中国側の反発が収まらず、早期訪中は困難な情勢だ。

 

 9月3日、国際政治学者の舛添要一氏は『ABEMA的ニュースショー』(ABEMA)に出演。岸田首相が、外務大臣として戦後最長の4年7カ月務めた経験があることから、舛添氏は日中関係の改善に向け、「お前、外務大臣だっただろ。外交がいちばん専門のはずだろ。なにやっとるの。お前がやれよ」と叱咤激励した。

 

 だがSNSでは、福島第一原発電の処理水放出に対し、中国からの反発が続いていることから、岸田首相の外交力に対して疑問視する声が多く上がっている。

 

《岸田は中国との外交に今の今まで何をしてたんだい??後手後手外交。。バラマキやってる時間あったら中国に根回ししたり対話するなり、いろいろやる事はあっただろうに。。》

 

《外交力ゼロの岸田内閣 米国に次ぐ対中制裁の急先鋒のように見えたが、処理水放出へ中国へ根回しはしなかったのか・・・》

 

《岸田の外交力のなさが浮き彫りに…安倍晋三の時、何年外相やってだんだよ》

 

《岸田外務大臣なんて、安倍さんの外交力と存在感に乗っかっていただけでしょ?》

 

 9月4日、経団連の十倉雅和会長は定例会見で、日本の経済界の代表らによる「日中経済協会」の訪問団が、2023年1月に中国を訪れる計画を認め、日中関係が「もめているこういう状況でこそ、やらないといけない」と述べた。

 

 このまま中国の反発がおさまらなければ、4年7カ月の外相経験、宏池会の会長の名に傷がつく。岸田首相は、ASEAN首脳会議で「外交の岸田」を発揮することができるだろうか。

( SmartFLASH )

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