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旧統一教会、質問の2割に答えず「過料」通知へ…自民関係者は「10月中にも解散請求」と自信みせる

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.09.05 19:00 最終更新日:2023.09.05 19:00

旧統一教会、質問の2割に答えず「過料」通知へ…自民関係者は「10月中にも解散請求」と自信みせる

統一教会の合同結婚式(2020年、写真:UPI/アフロ)

 

 2022年7月8日の安倍晋三元首相襲撃事件に端を発し、自民党国会議員との親密な関係や霊感商法、高額献金などが改めて報道されることになった「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)。

 

 この問題が、ついに新展開を迎えようとしている。9月4日、各メディアが「文科省は、宗教法人審議会を6日に開くことを決めた」と一斉に報じたからだ。

 

 

「文科省および文化庁は、昨年11月以降、宗教法人法に基いた『質問権』を7回行使して、組織運営や財産、収支、韓国にある教団本部への送金状況など600項目以上の調査をしてきました。

 

 初回の回答は段ボール8箱ぶんあり、旧統一教会も協力的だと思われましたが、次第に量も減り、8月に届いた7回めの回答はとうとう『封筒1通と紙袋1個』になったと報じられています。

 

 宗教法人法では、質問権行使に対する回答拒否や虚偽回答に対し、代表役員に10万円以下の過料を科すと規定しています。文科省は、教団が全体の2割、100項目以上に回答していないと判断。6日に宗教法人審議会を開き、裁判所に過料を科すよう通知する見込みです」(事件担当記者)

 

 過料の先には「解散命令」も想定されている。永岡桂子文科相は、5日の会見で解散命令請求について「予断を持ってお答えすることは差し控える」と明言を避けたが、ある自民党関係者は、本誌の取材に「宗教法人法に基づく質問権行使に区切りをつけ、10月中にも解散命令請求に向けて検討を進める」と言い切る。

 

「全国統一教会被害対策弁護団」の阿部克臣弁護士は、こうした動きを「旧統一教会は予想していなかったでしょう。慌てているのではないかと思います」と言う。

 

「報道では回答書の分量そのものに注目していますが、最初は大枠の質問をするので回答量も多くなります。次第に細かな点を質問するようになるため、おのずと分量は少なくなることは文科省も承知です。

 

 しかし、旧統一教会は『信教の自由』を理由に回答しなかったのではないでしょうか。それで、今回の流れになったと思われます。裁判所が過料を決定した場合、教団側は不服申し立てができますから、不当処分として裁判で争うことになるでしょう。解散命令が出されたら、そちらでも争うと思います」

 

 テレビ朝日が9月5日に報じたところでは、前線に立つ文化庁は「不測の事態」に備えて厳戒態勢のようだ。

 

「テレ朝の取材で、文化庁の入口は、5日からすべて閉鎖されることが判明しました。職員でさえ隣の文科省を経由しないと庁舎内に入れないそうです。もちろんこれは、職員や来庁者の安全を確保するためです」(同)

 

 解散命令請求の可否を判断するには、「組織性」「悪質性」「継続性」の3要件の解明を進める必要がある。ニュースサイトのコメント欄には《解散しても形を変えて存続するだけ》《税制優遇がなくなるだけ》といった懐疑的な見方も多いが、事態が佳境に迫りつつあるのは間違いない。

( SmartFLASH )

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