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中古車相場、2カ月連続下落の暴落ぶり「ロシア輸出規制」に「ビッグモーター在庫放出」の「泣きっ面に蜂」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.09.06 17:30 最終更新日:2023.09.06 17:30
いよいよ国内の中古車価格の下落が始まった。中古車オークション(競売)の最大手「ユー・エス・エス(USS)」が9月5日に発表した、8月の中古車落札価格は、前年同月比6.9%安の103万8000円、2カ月連続の下落だった。前月比でも2.6%の下落になった。
「8月9日から施行された、ロシアへの乗用車の輸出規制強化が影響したとみられます。日本の中古車の、およそ30%がロシア向けです。2022年4月から、600万円を超える高級車のロシア輸出が禁止されてきましたが、新しい規制では、排気量1900ccを超えるガソリン車とディーゼル車、すべてのハイブリッド車とプラグインハイブリッド車、電気自動車を禁輸対象にしています。そのため、『ロシアに輸出できない中古車が国内にあふれ、供給過剰で値崩れが起きるのではないか』とみられていたのです」(中古車販売会社)
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早くもその影響が出てきたようだ。しかし大手自動車ディーラーの営業マンは「中古車市場は、これからもっと悲惨な状況になります」と表情を曇らせる。経営状況が悪化しているといわれる「ビッグモーター」が、在庫車を大量にオークション出品する可能性があるというのだ。経済ジャーナリストも同じことを危惧している。
「8月、ビッグモーターは、借入金90億円の借り換え要請を、取引先の銀行団に拒否されました。90億円は現預金で完済しましたが、ビッグモーターの内情はかなり厳しいようです。
7月には『社員の生活の安定向上を図る』として、社員への報酬の補填を約束していましたが1カ月で反故になり、8月31日には和泉伸二社長が社員に『現状を考えると買い取りのほうにウエイトを置かざるをえません。販売店1店舗あたり500万、サテライト店1店舗あたり250万円の上積みの利益が必要です』といった内容のメールを送っています。今後は、各地で問題になっている、除草剤使用による樹木の枯死についての現状回復や損害賠償が本格化します。
そうした費用や店舗の維持費、従業員の給料を捻出するために、4~5万台といわれる在庫車を順次、オークションに出さざるを得ないと見られています」
X(旧Twitter)などのSNSには、すでに店頭展示車両が激減している店舗の写真などが投稿されている。
中古車の販売価格が下がれば、下取り価格も下がる。そうなると、下取り代金を新車購入費用に充当しようと考えていたユーザーの、買い控えにつながる可能性もあり、負の連鎖がとまらなくなってしまう。ビッグモーター問題は、あらゆる方面に影響を与えているようだ。
( SmartFLASH )