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実名告白!コロナ無料検査「5.3億円搾取未遂」名義を貸した医師が「法人名が公表され、大きな風評被害を受けた」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.09.12 19:15 最終更新日:2023.09.12 19:15

実名告白!コロナ無料検査「5.3億円搾取未遂」名義を貸した医師が「法人名が公表され、大きな風評被害を受けた」

上嶋容疑者が検査に出していたのが社員や知人からかき集めた唾液や水だった(※写真はイメージ 写真・吉川 信之/アフロ)

 

「上嶋容疑者が関わった都内4カ所のPCR検査所では、おこなわれていたとされる検査のほぼ8割が、架空検査だったといいます」

 

 9月7日、警視庁捜査2課は、新型コロナウィルスの無料検査事業で東京都の補助金約5億3000万円を詐取しようとしたとして、詐欺未遂の疑いで渋谷区の貿易会社「大洋商事」代表の上嶋(かみじま)大輔容疑者(40)ら6人を逮捕した。

 

 冒頭のように語ったのは、大阪府内の医療法人「華風会」の久保伸夫理事長だ。架空だったとされる上嶋容疑者らの事業で、「華風会」は補助金申請の名義になっていた。

 

 

「上嶋容疑者から『PCR検査事業を幅広く展開するため、手助けができます』と提案され、あくまで善意で『華風会』という名義を使用することを許可しました。しかし、東京都からは、補助金不正の事業者として私の法人名が公表され、大きな風評被害を受けました」

 

 上嶋容疑者との関係について、久保理事長がこう続けた。

 

「上嶋容疑者は、法人内で使用するマスクを購入していた業者を通じて紹介されました。彼は自ら、『都内で不動産と貿易業を手広く手がけており、PCR検査所の設置や人員の手配は済んでいるというのです。私は、コロナ禍の直前に都内にクリニックを開業したところでもあり、PCR事業で地域に貢献できるのではと考えて、名義を使わせることにしました。『善意』だというのは、事業の赤字を私が補填しない代わり、黒字でも利益も求めないとう約束だったからです」

 

 新型コロナウィルスの無料検査事業は、感染対策と日常生活の回復を図る目的で、各都道府県が2021年12月から2023年5月まで、医療機関などの民間機関に委託しておこなわれていた。

 

 事業者にはPCR検査1件につき最大1万1500円、抗原検査には最大6500円を補助。財源には国の臨時交付金6200億円が充てられていた。東京都は2023年6月、「華風会」など11業者の申請に不正があったとして、183億円の交付取り消しや不交付を発表しているが、不正認定された補助金は、発表済みである他の5府県を併せると、268億円にも上る。取材した大手紙の社会部記者がこう明かす。

 

「上嶋容疑者は、社員や知人からかき集めた唾液や水を、検査の検体に出していました。架空の検査者の名義は、住宅の賃貸契約の内見や契約者のリストから取ったようで、上嶋容疑者とともに、不動産会社の経営者が逮捕されています」

 

「大洋商事」のHPには事業内容として貿易業のほか、不動産事業や太陽光発電事業なども掲げられていたが、事業所などの住所の記載もなかった。そもそも、会社の設立はPCR事業を開始する2カ月前であり、すべてが架空事業だった可能性が高いという。前出の社会部記者が続ける。

 

「都は、申請書類の審査だけで事業者の認可を出していました。週に1回、登録事業者は検査件数を都に報告すればよく、これをチェックするのは民間委託の広告会社でした。つまり、補助金交付事業でありながら、都の関与がほとんどないのです。制度設計の不備が補助金不正の温床に繋がった一因なのは間違いありません」

 

 計らずも補助金不正の片棒を担ぐ結果になった久保理事長は、「自責の念が消えない」と吐露しつつ、都に対してもこう憤る。

 

「医者の常識では、補助金の申請には膨大な資料を揃え、長い審査期間を経て、結果を待つものです。医療機関の新規の開業認可も、年単位の時間が必要です。これほどずさんな事業がおこなわれているなんて、夢にも思いませんでした」

 

 政府の肝入り事業として始まった無料検査だが、大きな後始末が残っている。

( SmartFLASH )

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