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ウィル・スミスも使用…いま六本木に出回る幻覚植物「アヤワスカ」に東京都担当者が警告「違法です」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.09.16 20:30 最終更新日:2023.09.16 20:30
「最近、都内で幻覚系の変わったドラッグが流通しているらしい。六本木あたりのバーでも出回っているようだ」
ある飲食店関係者が、そう語る。そのドラッグは「アヤワスカ」といい、南米のペルーからブラジルまで流れるアマゾン川流域で自生する植物の根を原料にしたものだという。
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「実際に使用したペルー人によると『とにかくぶっ飛ぶ、ふだんは見えないものが見える』とのことでした。LSDなどと同じような向精神薬の類ですね」(同前)
アヤワスカは、ペルーでは国家文化遺産とされている植物だ。先住民のシャーマン(呪術師)が儀式に使う植物として知られている。
ハリウッドスターのウィル・スミスが2021年11月に出版した回想録『WILL』(未邦訳)では、このアヤワスカを使用した体験を記述している。ドラッグ経験はなかったというウィルだが、友人がアヤワスカで過去のトラウマを克服したことから使用を決断。飲んで1時間で「宇宙空間に浮かんでいる自分に気づいた」らしい。
現地宗教には欠かせないものだというアヤワスカだが、医学的見地では、危険な成分が含まれている。東京都保健医療局薬務課の担当者に聞いた。
「アヤワスカに含まれている幻覚効果のある麻薬成分『ジメチルトリプタミン(DMT)』という物質は指定薬物ですので、麻薬及び向精神薬取締法に違反します。われわれは行政ですので、都内でのアヤワスカの販売実態については、把握しておりませんが、警察や麻取は把握していると思います」
使用、所持に関して、罰則が適用される薬物ということになる。
「DMTは幻覚作用が強いことがわかっています。この『アヤワスカ』という単語を、久しぶりに聞きました。以前、規制されていない植物からDMTが出たことがあり、その場合はどうするのか、と報道されたことがあります。そのときに、われわれもアヤワスカに注目したことがあるんです」(薬務課担当者)
担当者が語るこの事件は、2022年10月、DMTを含む植物アカシアコンフサ(和名ソウシジュ)の粉末を「茶」として販売した男が懲役3年執行猶予5年の判決を受けた事件だ。
「『何が原因で錯乱したのか』という判断は難しいんですよね。DMTであるとわかっていて、薬物としてリキッドや粉末で使用して幻覚を見た場合は、使用罪に該当するでしょう。ただ、使用したものに、たまたまDMTが入っていた場合は司法の判断が難しくなるんですよ。司法機関が、状況も勘案して判断することになります」(同前)
六本木で酒を飲んで陽気になっているときに、怪しいリキッドなどを勧められたら、当然「ダメ。ゼッタイ」と、断わるべきだ。
( SmartFLASH )