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「中国の浮遊障壁撤去」フィリピンの「毅然とした対応」に集まる評価「要求するだけ」日本の弱腰に集まる批判

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.09.27 15:17 最終更新日:2023.09.27 15:47

「中国の浮遊障壁撤去」フィリピンの「毅然とした対応」に集まる評価「要求するだけ」日本の弱腰に集まる批判

中国の設置した障害物のロープを切断するフィリピン沿岸警備隊のダイバー(写真・AFP PHOTO / PHILIPPINE COAST GUARD)

 

 9月26日、フィリピン沿岸警備隊は、中国と領有権を争う南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)に中国海警局が設置した「浮遊障壁」を、特別作戦を実施し25日に撤去したと発表した。フェルディナンド・マルコス大統領が指示した。

 

 警備隊は浮遊障壁について、「フィリピンの漁民の生活を妨げる、いかなる妨害も国際法に違反し、主権を侵害するものだ。障害物は航行に危険を及ぼすうえ、国際法違反だ」と批判した。公開された映像には、ダイバーがナイフを使い、障害物をつないでいたロープを切断する様子が映っている。

 

 

 スカボロー礁は、フィリピンの排他的経済水域(EEZ)の内側にあるが、中国が2012年から実効支配を続けている。2016年、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は、中国が主張する主権や管轄権には、国際法上の根拠はない、と断じている。

 

 一方、中国外務省の汪文斌(ワンウェンビン) 副報道局長は、26日の記者会見で「中国は断固として黄岩島の主権と海洋権益を守る」と主張したうえで、「我々はフィリピン側に対して、ことを荒立てないよう忠告する」と警告した。

 

 浮遊障壁は、スカボロー礁付近で、中国海警局の船舶などによりおよそ300mにわたって設置された、ブイとみられるもの。

 

 沖縄県石垣市の中山義隆市長は9月26日、、自身のX(旧Twitter)にこう書きこんだ。

 

《フィリピン政府の対応、これを『毅然とした対応』と言うのでしょう。》

 

 タレントのフィフィは同日、自身のXにこう書きこんだ。

 

《トラブルを起こしてるのは中国ね! それにしても、日本政府は中国に撤去を促すだけ…情けないね。》

 

 元自衛官で“ヒゲの隊長”こと自民党の佐藤正久参院議員も同日、自身のXにこう書きこんだ。

 

《マルコス大統領の命令で、フィリピン沿岸警備隊が対応。主権を守る行為。日本政府もブイ対応が求められる》

 

 9月19日、松野博一官房長官は記者会見で、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の日本のEEZ内で、新たに海上ブイを設置したことが確認されたと明らかにした。

 

 海上保安庁によると、ブイは魚釣島の北西約80km、日中中間線の日本側の位置で、7月に確認された。ブイには「中国海洋観測浮標QF212」と書かれており、見た目は黄色。

 

 政府は中国側に抗議し、ブイの即時撤去を求めた。松野氏は「EEZで、わが国の同意なく構築物を設置することは、国連海洋法条約上の関連規定に反する」と批判。「領土、領海、領空を断固として守り抜くとの考えのもと、毅然かつ冷静に対処していく」と語ったが、ブイの存在公表が、確認から2カ月後だったため、対応の遅さを批判する声があがっていた。

 

 さらに、フィリピンがEEZ内の浮遊障壁を撤去したことで、日本も毅然とした対応を取るよう求める声が、SNSではあがっている。

 

《スピーディーかつ毅然とした対応!あれ、日本のEEZ内に設置されたブイは…?》

 

《フィリピンは中国が設置した障害物(ブイ)を自国で撤去した。中国は東シナ海の日本側EEZ 内にも勝手にブイを設置している。日本はこの事実を2カ月も公表せず、松野長官が先日「中国が撤去しない」と記者会見で明らかにした。泣きごとなど聞きたくない》

 

《日本はこれと同じ事をされているのに2ヶ月も放置した上、抗議と即時撤去を口頭で要求しただけ…。どうして行動に移せないのか。このままでは尖閣はそのうち実効支配されるのではないか。そんな弱腰では困る》

 

 岸田文雄首相は、11月中旬にフィリピンを訪問する調整に入ったと報じられた。それまでに、東シナ海のブイを撤去できるのか、試されることになりそうだ。

( SmartFLASH )

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