社会・政治
「自民と維新の人災」大阪万博、残業規制撤廃「災害と思えば」自民党の提言に失笑の渦
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.10.11 15:45 最終更新日:2023.10.11 15:51
10月10日、自民党本部で開かれた大阪・関西万博推進本部(本部長・二階俊博元幹事長)で、万博パビリオンの建設を時間外労働の上限規制の対象外とするよう求める意見が自民議員から上がった。10月10日、朝日新聞が報じた。
推進本部では、2025年開催の万博のパビリオン建設が遅れている問題が取り上げられ、出席議員らによると、「人繰りが非常に厳しくなる。超法規的な取り扱いが出来ないのか。工期が短縮できる可能性もある」「災害だと思えばいい」といった意見が出たという。
【関連記事:「恥を忍んでやめたら?」大阪万博、当初予定から1000億円以上増加…“後出しジャンケン”に怒りの声】
推進本部事務局長の松川るい参院議員は会合後、記者団に残業規制の適用除外を求める意見があったのかを問われ、「非常事態であるから、残業時間規制についても必要であればとっぱらうということも考えるべきだという意見は多かった」と説明したという。
10月11日、松野博一官房長官は、万博の建設労働者を残業規制の対象外とする案が自民党内で出ていることについて「(政府として)検討を行っているものではない」と否定。なにより気にかけているのが、岸田文雄首相だという。
「推進本部で、時間外労働上限規制の撤廃について『災害だと思えばいい』との発言があったことに、総理がご立腹です。
『この大事な時期に何を考えてるんだ。本当に災害のようだ』と半ば呆れた状態です。万博は二階元幹事長の力を借りているだけあって、直接的にあまり物を言えないので、かなりヤキモキしています」(官邸関係者)
働き方改革のための改正労働基準法に基づき、2024年4月から、建設現場では、原則月45時間、年360時間を超える残業はできなくなる。
「ただ、これはすでに建設業が特別扱いされた結果。上限規制を定めた改正労働基準法は2019年に施行されましたが、建設業は5年間の猶予期間が与えられていたのです。
万博パビリオンの建設が遅れているとはいえ、更なる特別扱いには批判的な意見が多い。
なにより、万博が掲げるテーマは『いのち輝く未来社会のデザイン』。7月末に、日本国際博覧会協会(万博協会)が、上限規制を適用しないよう、政府に要請したことが報じられた際にも、改正労働基準法を所管する加藤勝信厚生労働相(当時)は『働く方の健康確保の観点から、上限規制を円滑に施行することが重要』と否定的な見解を述べていました」(政治担当記者)
一度は批判を浴びたものの、自民党の万博推進本部で、「災害だと思えばいい」「超法規的な取り扱いが出来ないのか」との意見が出たことに、SNSでは失笑する声が渦巻いた。
《「災害だと思えばいい」ですって!? なぜ残業規制が出来たかも知らないのか、この党こそが災害では?》
《大阪万博が「災害」なら、自民と維新による「人災」でしょう。巻き込まれる国民は被災者ですね》
《超最低 人命よりメンツが大事だなんて いのち輝く...万博 のテーマからも大きく逸脱 そんなことなら万博なんか止めちまえ》
《もうやめようよ。超法規的措置で万博は中止》
なりふりかまってはいられないとばかりに強行突破するようでは、万博中止を求める声が高まりかねない。
( SmartFLASH )