10月18日、政府は、観光立国推進閣僚会議を開き、観光地に旅行者が集中することで、地元の住民に影響が出る「オーバーツーリズム(観光公害)」の対策パッケージを決定した。
混雑時に鉄道運賃の引き上げを認める制度を行楽期や観光客の多い曜日・時間帯に活用することを盛り込んだ。また、地元住民の支障にならないよう、観光スポットへの急行バス導入を進めるとした。
政府観光局が同日発表した9月の訪日客数は推計218万人で2019年同月比で96.1%。新型コロナウイルス禍前の水準に迫った。
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観光庁は同日、2023年7~9月に日本を訪れた外国人が国内で消費した額を発表。3カ月の消費額は約1兆3904億円で、コロナ禍前を上回り、過去最高を記録した。
外国人を中心に、観光地は国内外からの観光客で混雑する傾向にある。
鉄道運賃に関しては、収入増が目的でなければ簡易な審査で国が早期に引き上げを認可する仕組みが既にある。また、経営が厳しい地方路線などで地元合意を得れば、届け出だけで国の認可上限を超える運賃を設定できる別の制度もあり、これらを観光分野で活用していく方針だ。
岸田文雄首相は「対策の内容を経済対策に反映し、住んでよし、訪れてよし、受け入れてよしの持続可能な観光地づくりに向けて、政府一丸となって精力的に取り組んでください」と述べた。
「1ドル=150円ほどの円安により、海外旅行客による日本での爆買い・爆食が話題になっています。
一方で、円安により、日本人にとって海外旅行は“高嶺の花”になりつつあります。
JTBの2023年夏休み(7月15日~8月31日)の推計によると、1泊以上の海外旅行をする人は120万人で、コロナ禍前の2019年の約4割にとどまる見通し。
とはいえコロナ禍で我慢していた旅行をしたいという熱は強く、国内旅行は7250万人とコロナ禍前の水準に回復しています」(政治担当記者)
海外旅行を避け、国内旅行で我慢している人がいるのだろう。政府が「ハイシーズンの鉄道料金値上げ」を対策に盛り込んだことに、SNSでは反発する声が多く上がった。
《観光立国ねぇ てことは日本人も行楽期の国内観光がお高くなるのね》
《増税クソメガネ 本当に余計なことしかしねえな!!!外国人は円安で余裕あるんだからこんなの日本人がいかれなくなるだけだっての》
《ひどいな増税メガネ 日本人も運賃値上げ 円安で物価高で苦しんでいる庶民をさらに苦しめるとは》
《え?なんでワイらが巻き込まれなきゃならんのだ? 貧乏人の日本人は家にいろってことかい?》
コロナ禍による移動制限がなくなったことで、旅行熱は高まっている。だが、そこに鉄道料金の値上げが直撃するなら、国内旅行でさえ難しくなりかねない。
( SmartFLASH )