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旧統一教会、多摩の“新本部”建造計画見合わせ…9億円で現金一括購入「あのような団体には来てほしくない」市長も嫌悪感
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.10.30 17:49 最終更新日:2023.10.30 18:48
旧統一教会(世界平和統一家庭連合)が東京・多摩市で進めていた新施設の建設を見合わせることになったと、10月30日の「朝日新聞」が報じている。
朝日新聞の取材に対し教団は「来年1月までの解体工事は予定通り進めるが、施設の建設は解散命令請求の結論が出るまで見合わせる」と返答している。
教団が施設の建築を予定していたのは、京王・小田急永山駅から徒歩で約30分、約6300平方メートル(1905坪)に及ぶ広大な土地だ。すぐ隣には都立永山高校や国士舘大学多摩キャンパスなどがある。
本誌では、2023年4月にこの建築予定について報じている。
不動産登記簿によれば、教団が土地を取得したのは、2022年4月28日。和菓子を製造販売するA社から、所有権が移転されている。不動産鑑定士によると、「付近の地価公示価格は平米あたり14~15万円で、6300平米なら9億円前後。抵当権がついていないため、現金で買った可能性が高い」と語っている。当時、現地にはA社の工場などが残されていた。
多摩市の阿部裕行市長は当時、本誌の取材に応じ
「多摩市では、2000平方メートル以上の土地取引は届け出るように定めており、今回の売買を市が承知していたのは事実です。しかし民間同士の取引ですから、市は介入できないんです。もちろん、あのような団体に来てほしくはありませんが、現状では土地の売買や、教団が多摩に進出することを規制する手段がないんです」
と話している。教団はこの多摩市の土地に、宿泊可能な400人規模の研修施設を建設する予定で、2023年7月からは既存の建物の解体工事が進められていた。多摩地区の共産党市議は4月当時、「旧統一教会が多摩に本部を移すのではないかという話も出ている」と本誌に明かしている。
この計画が明らかになった4月以降、地元住民らは反対運動をおこなってきた。付近にある多摩ニュータウンは老朽化、世代交代もあって空き家が増えており、「大勢の信者が移住してくるかもしれない。“統一教会タウン” になってしまう」との懸念もあった。
「教団が土地を購入したのは、2022年7月の安倍晋三元総理の銃撃事件の前。事件により一気に問題がクローズアップされ、2023年10月13日には政府が教団への解散命令を東京地裁に請求しました。
宗教法人は、宗教活動に使う土地や建物への固定資産税は非課税となっていますが、解散命令が確定した場合、法人は解散。非課税などの優遇措置は受けられなくなります。
教団は東京・渋谷区の松濤という一等地に本部があるほか、多数の不動産を抱えており、解散命令が出された場合、固定資産税は莫大な額になります。建設中止もそこまでを見越してのことでしょう」(週刊誌記者)
とりあえず、“教団の街”になる事態は避けられそうだが……。
( SmartFLASH )