社会・政治
岸田首相、「防衛増税」に続き「退職金増税」見送り…支持率低下、激昂するネット世論に戦々恐々
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.10.31 15:58 最終更新日:2023.10.31 16:01
政府・与党は「サラリーマン増税」の象徴ともいわれた “退職金への課税見直し” を、今年は見送る方向で調整している。
「政府は6月に発表した『骨太の方針』で、勤続20年を超えると勤続1年あたりの控除額が40万円から70万円に増える、現行の『退職所得課税』の見直しをおこなうと明記しました。この控除があるため、勤続年数が長くなり、労働者の転職を妨げているというのです」(経済担当記者)
日本経済新聞は、8月12日の紙面で、《同じ会社で20年を超えて働く人が対象の税優遇がなくなれば、勤続30年で退職金2500万円を一時金として受け取る人は最大45万円ほど手取りが減る見込み》との試算を報じている。ただし、一時金と年金に分けて受け取れば影響は小さくなる可能性があるという。
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「見直し先送りの背景は、政権発足後、最低を記録した内閣支持率に危機感を覚えたからです。当初は年末に詳細を決める予定でしたが、ほとんどのサラリーマンが『増税』になるため、自民党内には『強行したら内閣支持率は1桁になる』といった悲観的な声も出ていたのです」(政治担当記者)
ニュースサイトのコメント欄にも、
《子育てをしているというだけで、税金はしっかり納めて来ていても、所得制限で何もかも弾かれています。それに加えて、退職金にまで手を付けたられたら、たまったものではありません》
《働く意欲を無くすのが本当に得意ですよね》
《減税で釣っておいて選挙後は裏切り。自民党の常套手段じゃないか》
など、政権批判や怒りの声が圧倒的だった。「X」でも、《世論の批判はとても大事 めげないで声をあげよう》《きちんと国民が文句の声を上げることで政治は動く》などの書き込みが目立った。
こうしたムーブメントに、自民党議員は焦りの色を隠さず、こう明かす。
「『増税メガネ』でもわかるように、ネットの拡散力はものすごいですからね。いまはマスコミの世論調査も電話による質問ですが、もしネットで調査をおこなったら岸田内閣の支持率は壊滅的でしょう。
『退職金課税見直し』を表明する前の27日、岸田首相は衆院予算委員会で2024年度からの『防衛増税』の先送りも明言しています。岸田首相は否定していますが、所得税減税と防衛費増税は矛盾するということです。これもネットでは以前から盛り上がっていたテーマです」
ネット世論の勢いは止まりそうもない。
( SmartFLASH )