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島根・丸山知事 電力会社は「大黒字で国民は窮乏」発言 「国民に還元すべき」SNSで電力会社への批判集中

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.11.10 18:40 最終更新日:2023.11.10 18:40

島根・丸山知事 電力会社は「大黒字で国民は窮乏」発言 「国民に還元すべき」SNSで電力会社への批判集中

(写真・時事通信)

 

 11月8日、島根県丸山達也知事は定例会見で、中国電力が2023年4~9月期連結決算で過去最高の1230億円の黒字となったことに対し、「電力料金を下げることも考えないといけない」と注文した。

 

 丸山知事は、燃料費の下落分を電気料金に反映するまでに時間がかかる「期ずれ」により大幅増益となったことを踏まえつつ、5月に政府が家庭向け規制料金を引き上げたことで、同社が半期で500億円超増益となった点を指摘。「電気料金をもらっている人は大黒字で、バックにいる国民は窮乏にあえいでいるのはバランスを欠いている」と指摘した。

 

 

 さらに、株式配当予想を従来予想から20円引き上げ、年間30円としたことに触れ、「値上げをして大黒字が出て、配当を増やすしかしないというのはおかしい。配当を増やすのだったら料金を下げることも考えないといけない」と述べ、株主とともに、電力利用者にも目を配るべきとの考えを示した。

 

 中国電の発行済株式数が3.87億株あることにも触れ、「増配に着目すれば20円で77億円ぐらい。それと同じくらいの(電気)料金を下げようと思ってもらわないといけない」と述べた。

 

 政府に対しても、「値上げの認可をするときにはさんざん議論したのに、物価高騰対策を打たなきゃいけない状況の時に、この決算をボーッと見ているようじゃいけないんじゃないか」と、値下げを電力各社に要請すべきだとの持論を述べた。

 

 中国電は、燃料価格の下落による収益改善は一過性のものだとして、「当面は現行の料金水準を維持し、収支を安定化させていきたい」との立場を示している。

 

 10月31日に出揃った大手電力10社の2023年4~9月期決算では、連結最終損益は10社すべてが黒字となり、合計で1兆6159億円の黒字(前年同期は5928億円の赤字)となった。値上げだけで3300億円収益が改善し、沖縄電力を除く9社が4~9月期で経常最高益となった。

 

 火力発電の燃料となるLNG=液化天然ガスの調達コストが減少したことや、多くの電力会社で家庭や企業向けの電気料金を値上げしたことが増益の主な要因という。

 

 だが、電力各社は、2022年の燃料高による経営悪化が響いており、財務改善は道半ばと強調。値下げには否定的だ。一方、政府は電気料金の負担軽減措置を2024年4月末まで延長する方針だ。

 

 丸山知事が「電力料金を下げることも考えないといけない」と注文したことに、SNSでは賛同する声が多く上がっている。

 

《こういう事を、しっかり言ってくれるのが大切です。確かに株式会社は、株主のおかげで成り立っている部分は有りますが、1番は消費者が有っての事》

 

《もう電気料金の値上げピーク終わってるのに、一度上げた分戻してないんだよなあ》

 

《至極まっとうな主張の島根県知事。中国電力も、関西電力も、北陸電力も、もうけを電気料金値下げで、「国民に還元」すべきだと思う》

 

《全国、電気代値下げして欲しい》

 

 一方、同じ会見で、島根県職員に引き続きマスク着用を求める考えを示した丸山知事。たびたび物議を醸す丸山知事の電気料金に関する「直言」は全国に波及するだろうか。

( SmartFLASH )

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