社会・政治
ついに8つ目「政界渡り鳥」小池百合子の人生すごろく
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.09.29 11:00 最終更新日:2017.09.29 11:00
9月27日、小池百合子東京都知事(65)が「希望の党」結成を発表した。
都内で行われた会見で、小池氏は「しがらみのない政治。そして大胆な改革を築いていく政治。まさに日本をリセットするために『希望の党』を立ち上げます」と宣言した。
ちなみにオープニングでは「さらば、しがらみ政治」とのタイトルで始まる「希望の党」のイメージ動画がお披露目されている。
暗闇のなか、小池氏を思わせる緑のスーツに身を包んだ女性が、「歯向かう気か」「組織なめんなよ」「変えられると困るんだよ」と叫ぶ男性の脇を、颯爽と通り過ぎる。歩みを進める彼女の後ろには、やがて賛同者が続き、暗闇を抜け光へと向かう……。
面白いのは、抵抗勢力らしき男性の手にタバコがあるところ。オリンピック開催に合わせて禁煙政策を推し進める小池氏らしい動画だ。
10月22日に行われる衆議院総選挙に向けて、ギリギリのタイミングで新党を立ち上げた小池氏。じつは小池氏は8つの政治団体を渡り歩いており、「政界の渡り鳥」というあだ名が定着している。
小池氏は1992年、細川護熙氏の「(1)日本新党」から出馬し、参議院議員となった。細川政権が終わると、1994年の「(2)新進党」結成に合流。これを機に小沢一郎氏と接近し、1998年「(3)自由党」へと参加した。
その後2000年「(4)保守党」、2002年「(5)保守クラブ」へ。保守クラブはわずか3人で旗揚げしており、政党要件を満たさなかったことから、すぐに「(6)自由民主党」へ合流した。小泉政権下では環境大臣として入閣し、クールビズなどの活躍で有名になった。
2016年、「崖から飛び降りる覚悟で挑戦したい」と東京都知事選に無所属で出馬し当選。その後自民党を正式に離党し、「(7)都民ファーストの会」を結成、そして今回の「(8)希望の党」だ。「都民ファーストの会」は地域政党だが、これを含めれば8つということになる。
政治評論家・浅川博忠氏(故人)は、かつて本誌でこう分析している。
「細川護熙、小沢一郎、小泉純一郎など、時の権力者に露骨なまでに近づき、相手が力を失えば離れる姿が『裏切り者』と反感を買う理由です」
『週刊エコノミスト』(2016年11月1日号)に面白いエピソードが掲載されている。小池氏がエジプトに留学していたころ、アルバイトでツアーガイドをしていた。あるとき、バイト留学生が団結し、雇い主の旅行会社に賃上げを要求するのだが、このとき小池氏は一人だけ団体交渉から抜けたという。結果的に小池氏は、旅行会社から優先的に仕事を振られるようになった。
小池氏は、昔から「機を見るに敏」だったことがよくわかる話だ。
会見で小池氏は「リセットするからこそ、しがらみがない。しがらみがないからリセットができる」と結党の意気込みを語っている。こんな発言ができるのも、政界すごろくを経験している小池氏ならではだ。