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【大阪万博】海に浮かぶ木造リング「5メートルで1億円」…日本の伝統的貫工法のはずが「釘もボルトも活用」で批判殺到

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.11.30 19:47 最終更新日:2023.12.04 14:33

【大阪万博】海に浮かぶ木造リング「5メートルで1億円」…日本の伝統的貫工法のはずが「釘もボルトも活用」で批判殺到

報道陣に公開された木造リング(写真・時事通信)

 

 2025年大阪・関西万博のシンボルとなるはずの木造リング(大屋根)に対する批判が高まっている。

 

 建設費は約344億円。リングで使用する木材は約2万立法メートルで、幅30メートル、高さ12~20メートル。会場中心部を取り囲み、1周2キロで来場者は屋根の上と下を回遊できる。

 

「プレスリリースによると、《会場の主動線として円滑な交通空間であると同時に、雨風、日差し等を遮る快適な滞留空間》とあり、巨大な雨よけ、日よけとして建造されることがわかります。

 

 

 もともと、万博にシンボル的な建物を設ける予定はなかったのですが、会場デザインを務める建築家の要求で、2020年12月、突如『世界最大級』をうたったリングが作られることになりました」(政治担当記者)

 

 11月29日の参院予算委員会で、立憲民主党・杉尾秀哉議員がリングの問題点を追及した。

 

「このリングは1周360度あります。総額344億円です。角度1度で1億円弱ということになります。1周2キロのリングで角度1度は何メートルになりますか」

 

 経済産業省の審議官が「2000メートル÷360度なので、おおむね5メートル程度でございましょうか」と答えると、杉尾議員はこう問いただした。

 

「そうなんですよ、わずか5メートル。それで1億円ですよ、法外ですよ。これ、3分の1程度の予算でできるという専門家もいるんですよ。本当に精査したんですか、この金額」

 

 たった5メートルで1億円。この数字に、SNSでは批判的な声が多く上がった。

 

《日除け効果の万博リング、5mにつき1億円ですか。そして万博終了後(半年後)には撤去するんでしょ?その為だけに350億円。撤去費用はまた別でしたよね?またコストかかりますよね?こちとらエネルギーその他物価高で生活苦しいんですけど》

 

《技術博覧会なのに、5m作るのに1億円する万博リングなんて、どこの国も真似したいとは思わない。日本の建築は金がかかるだけ、とアピールするだけと思うが、、、》

 

大阪万博のリング 建設費、5mで1億円って。終わったら解体て。無駄遣いの極致だな》

 

 リングについては、日本維新の会の創設者で弁護士の橋下徹氏が11月17日、自身の「X」(Twitter)でこうアピールしている。

 

《万博リング。京都清水寺の舞台と同じ懸造り。釘を一切使わないあの工法。清水の舞台は高さ13メートル。万博リングもその高さに匹敵し、規模は清水の舞台よりもはるかに大きい

 

 清水寺の舞台には今も連日多くの国内外観光客が訪れている。日本人の多くの人が一度は訪れているはず。それほど清水の舞台は人を惹きつける力のある木造建築物。

 

 万博会場地は海上埋立地で海抜10メートル。そこに清水の舞台よりもはるかに大きな木造舞台が姿を現す。四方は関西の海に山に大都会。清水寺の舞台に負けないくらいの体験ができると思う。》

 

 大阪府の吉村洋文知事も、11月16日、『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX)に出演し、リングをこうアピールした。

 

「日本の木材建築技術ってすごくて、清水の舞台ってあるじゃないですか。あれは貫(ぬき)工法といって、釘を使わないのに耐震性がすごく強い芸術的な作り方。これと同じ工法で(リングは)作られています」

 

 だが、11月24日、衆院予算委員会で、立憲民主党の森山浩行議員がこの点を追及している。

 

「日本の伝統工法だと言われてますが、釘は使ってないけど、ボルトやナット使ったりしてますね?」

 

 経産省の審議官が「日本の伝統的な貫工法という方法を使いますが、一部、釘もボルト等も活用はいたします」と答えると、森山議員は「伝統工法を模したもの。鉄を使ったりボルトやナット使ったものは、伝統工法と言いません」とした。

 

 日本の伝統工法のはずなのに、なぜか釘もボルトも使い、しかも建造費は5メートルで1億円。いったいなぜこんなに高いのか。先の答弁で、杉尾議員は「中抜されているんじゃないかという話も地元で聞いています」と語っているのだが――。

 

「中抜きの件は確かめようがありませんが、完成予想図を見ると、リングは3分の1ほどが海上にせり出していることがわかります。リングの上の回廊は2キロにわたって歩けるわけですから、完成すれば非常にいいロケーションになるのでしょう。

 

 ただ、工事現場の空撮写真を見ると、リングは完全に陸上にあります。

 

 地図を見ればわかりますが、もともと会場となる夢洲には、大きな堤防で囲まれた海部分がありました。それを工事のために埋め立て、さらにリング完成後、海のように見せるため、広大な “水辺” を作る工事をしているのです。

 

 ただでさえ地盤の悪さで知られる埋立地を、埋めてもう一度 “掘り返す” ような工事をするわけですから、お金がかかるのも当然です」(前出・政治担当記者)

 

 SNSではこんな疑問の声があがっている。

 

《海の上はウソでわざわざ掘って池を作り海に見せかける作戦。セコい!》

 

《建設のために重機も通ることができる地面にしたなら、海の上に張り出しているように見せるために海水をひいても、それは単なる池でしかない》

 

《万博開催中も地盤沈下は進むらしいですよw お~怖っ 伝統工法で出来た日除けの上に人が乗ったらリングが沈みそう》

 

 万博のアピールに必死な大阪府・市の幹部たちだが、このままでは大阪自体がリングとともに地盤沈下しそうだ。

( SmartFLASH )

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