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「現役世代の負担減が先」少子化対策の財源に75歳以上医療費原則2割負担を検討も「勝手に流用するな」SNSで批判殺到
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.12.04 16:58 最終更新日:2023.12.04 16:58
12月2日、政府は少子化対策の財源確保に向け、75歳以上の後期高齢者の「医療費負担」の引き上げを、月内に策定する社会保障の改革工程表に盛り込む方針であることがわかった。原則2割への引き上げを検討する。同日、共同通信が報じた。
現在、後期高齢者が病院で医療費を払うときの窓口負担は、原則1割。2022年度には、単身で年金収入などが200万円以上など、一定所得以上の人について、自己負担割合を1割から2割に引き上げた。
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これを原則2割とすることで、岸田政権が打ち出した「異次元の少子化対策」の財源に充てたい考えだ。
少子化対策の予算は年間3兆5000億円程度にのぼる見通しで、政府は、このうち1兆円超を、医療など社会保障の歳出改革で捻出する方針だ。加えて、公的医療保険に上乗せして徴収する「支援金制度」で、1兆円前後を確保する。
11月12日、元大阪市長で弁護士の橋下徹氏は、『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ系)に出演。公的医療保険の保険料に上乗せして徴収する「支援金制度」に対し、「とんでもない」と怒りをあらわにしたうえで、こう語っていた。
「後期高齢者医療制度は、若者の現役世代の保険料から、多額の支援金が入って成り立っている。すでにもう、保険料から自分たちのサービス以外のところにお金が充てられている。
後期高齢者医療制度に出されている支援金は6.2兆円あるが、ここを少し削る。(政府案では)子育て支援金に1.5兆円を保険料から出すということだが、いま6.2兆円出しているところから、1.5兆円を子育て世帯に回すだけで、保険料アップにならない」
橋下氏は「安易に医療保険を子育て支援に使うのは、絶対に間違っていると思う」とも訴えていた。
社会保険料については、10月25日、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)も特集。1989年と2023年を比較し、30年で32万4992円も社会保険料の負担が増したことを明らかにしている。もはや現役世代は、現在の社会保険料の負担でもいっぱいいっぱいだ。そのため、後期高齢者の医療費負担を引き上げ、少子化対策の財源に充てる政府の方針に対して、SNSでは「現役世代の負担を減らせ」と批判的な声が殺到した。
《保険料を下げて現役世代の負担を減らすのが先や。高齢者の自己負担を上げても目的を履き違えたらあかんねん》
《いやいや、現役世代の保険料から高齢者に回してる支援金を減らせば良いじゃん。現役世代の社会保険料を下げて可処分所得を増やすのが少子化対策になるじゃん!》
《勝手に流用すんなよ。医療費が削減されたら健康保険料を削減して現役世代に返せ》
《高齢者の窓口負担を2割に引き上げ。これは当然。ただその分を少子化対策に使うってナニ?また中抜き? シンプルに現役層の社会保険料負担を下げろ。その方が少子化対策になる》
岸田文雄首相は、これまで「国民に実質的な追加負担を生じさせることはない」と明言していたが……。後期高齢者の医療費負担2割は、後期高齢者だけでなく、現役世代の怒りも買うことになりそうだ。
( SmartFLASH )