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「絶望的にひどい」岸田首相、支出にばかり優遇の少子化対策に「単なる業者への補助」子育て世代の怒り
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.12.06 15:02 最終更新日:2023.12.06 15:22
岸田文雄首相が掲げる「次元の異なる少子化対策」に向けた、政府・与党の税制優遇措置案が物議をかもしている。
12月中旬に取りまとめる2024年度税制改正大綱に向け、子育て世帯を支援する税制改正案が検討されている。12月5日、一斉に報道されたのは、家族の死亡や病気に備えた「生命保険料」控除の拡大案だ。
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現在、生命保険料は、一般生命保険・介護医療保険・個人年金保険のそれぞれについて、所得税は4万円、住民税は2万8000円を上限に、支払っている保険料に応じて控除することができる。各控除は併用可能で、最大控除額は所得税で12万円、住民税で7万円だ。
報道によれば、扶養する子どもがいる場合、この額を所得税は5万~6万円に、住民税は3万5000~4万2000円に引き上げ、所得税の控除額を合計16万円まで拡充するよう、金融庁が要望しているのだという。
扶養する子どもがいる場合、控除額を広げることで、子育て世帯の生活を支援するねらいがあり、与党の税制調査会で結論を出す予定だ。
だが、国民民主党の玉木雄一郎代表は12月5日、自身のX(旧Twitter)にこう書きこんだ。
《なんでこうなるの? 子育てにまつわるコストを控除によって軽くするなら年少扶養控除を復活すればいいだけ。生命保険料という特定のコストだけ軽減させるのは悪手。そもそもこんな案が突然出てくるのはなぜ?業界ごと役所ごとにしかものを考えられない自民党政治の限界では。》
たしかに、これまで報道された、子育て世帯を支援する税制優遇措置案にも、疑問符がつくものが多い。
・子どもの転落防止用の手すりの設置や、子どもを見守りながら家事ができる対面キッチンへの交換など、住宅を子育てしやすいようにリフォームした場合の所得税の減税。
・住宅ローン減税を、子育て世帯を対象に手厚くする。借入残高の0.7%を所得税などから差し引くことができるが、現在、新築の長期優良住宅で5000万円、省エネ基準適合住宅で4000万円となっている借入限度額を、2024年から4500万円、3000万円にそれぞれ引き下げが決まっている。しかし子育て世帯や40歳未満の夫婦に限り、現行水準を維持する。
住宅の購入、リフォームや、生命保険料など、新たな「支出」に対する優遇措置ばかりだ。
一方で、高校生(16~18歳)の扶養控除は、所得税の控除額は現行の38万円から25万円に、住民税は33万円から12万円に、それぞれ引き下げることが検討されている。
高校生の控除を縮小する一方で、「子育て世帯の支援」を名目に、特定の業界に向けた税制優遇措置を盛り込もうとする姿勢に、SNSでは批判的な声が殺到している。
《生命保険料控除にしろリフォーム減税にしろ、こういった案が平気で出てくるというのは子育て世代のことを何も知らないと言っているようなものだと思います。そして、特定の業界への忖度だと思われても仕方がない。年少扶養の復活や拡充の方が公平で効果もあります》
《今使えるお金が無いのに、リフォーム減税とか生命保険料控除の引き上げだとか単なる業者への補助。しかもお金がなければ恩恵に預かれない。誰が考えたのか絶望的にひどい》
《生命保険控除拡大とか対面キッチンリフォーム代減税とかほんとに意味不明な施策ばっかり出てくるな…… 子育て支援の名目を騙らないでほしい どうせ癒着でしょ…》
立憲民主党の小沢一郎衆院議員(事務所)は12月5日、自身のXにこう書きこんだ。
《業界利権を最優先にする自民党政治。自分達の利権が第一。こんなチマチマしたくだらない政策ばかりで、少子化・人口減少が止まる訳が無い。ダメっぷりだけが異次元の様相を呈してきた。政治を変える必要。》
自民党の税制調査会の幹部は「インナー」と呼ばれ、かつては絶大な権力を誇ってきた。その名残を残すような税制改正で、「次元の異なる少子化対策」など実現するはずがない。
( SmartFLASH )