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損保代理店登録取り消し「ビッグモーター」本誌が報じていた前社長「兄への絶縁宣言」、ソニー創業者邸宅跡の「60億円豪邸」【下半期スクープ】
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.12.12 06:00 最終更新日:2023.12.12 06:00
損害保険代理店としての登録取り消し……。11月30日、関東財務局は、ビッグモーターに対する行政処分を下した。保険業法に違反する数々の不正行為に対して、“鉄槌”が下された形だ。
修理依頼で持ち込まれた車両に故意に傷をつけ、損害保険会社に水増し請求していた問題。連日のようにニュースが炎上し、もはや“火だるま”状態に。
7月18日、外部弁護士らによる特別調査委員会が公表した報告書では「ゴルフボールを靴下に入れて車体をたたく」「ドライバーで(車体に)傷つける」など、にわかには信じられない行為の数々が書かれていた。
その後の記者会見でも、当時の社長であった兼重宏行氏は“知らぬ存ぜぬ”の主張を貫き通し、自体はさらに炎上。店舗前の街路樹が次々と「枯死」したことも話題を呼んだ。
売上高5200億円(2022年9月期)の大企業を一代で築き上げた “独裁者”である創業者の兼重前社長は、いかなる人物なのか――。
兼重社長は、1951年に山口県岩国市で生まれた。一家は、近くの川でアサリなどを採って生計を立てていた。岩国で話を聞くと、「今回の報道を見て、当時の兼重さんのイメージとまったく違う」と驚きの声が返ってくる。だが、兼重家をよく知る人物は、当時こんな証言をしてくれた。
「ビッグ社が多店舗展開を始めたころ、宏行くんに頼まれて保証人になっていたのはお兄さんたちでした。ところがある日突然、宏行くんが『これからは俺ひとりでやる。きょうだいの縁も切って、岩国から出る』と、宣言したんです」
その理由は定かではない。
「けんかしたわけでもなく、お姉さんにいたっては経理を手伝っていましたから。当のきょうだいのなかには、『全国展開のためには、大きな借金を背負う必要がある。家族には迷惑をかけられないと、宏行は退路を断ったんだ』と理解を示す者もいましたが……」
その後、兼重社長は創業期を支えたきょうだいと一度も会うことはなく、岩国にも戻らず、連絡すら取っていないという。そして2020年、兼重社長は、都内の超高級住宅街に自宅を建てた。地上2階、地下1階建てで、噴水や茶室もある。
「この地区は路線価で坪600万円前後ですが、実際の取引価格は約1000万円です。兼重邸は470坪あり、土地だけで約47億円です。一方、建物の床面積は約410坪で、坪300万円として外構外壁を含めると、約13億円になります。土地と建物で、最低でも約60億円になるでしょう」(不動産業者)
この土地にはかつて、ソニーの創業者である故・盛田昭夫氏の4階建ての自宅があった。盛田家から、兼重社長の資産管理会社に所有権が移ったのは2016年。周囲を威圧するかのような兼重邸が竣工したのは、その4年後だ。
当時、本誌は盛田氏の長女である岡田直子氏に電話で話を聞いた。
「ビッグモーターという社名も、兼重さんという方のお名前も今、初めてお聞きしました。実家をお売りするときは、間にいろんな方が入っていましたしね。個人的なつながりでお売りしたわけではありません」
岡田氏は「私が口を出すことではない」と取材の辞退を申し出つつ、こう語った。
「『いまはすごいお家が建っている』という噂は聞いていました。しかし、私にとっては、思い入れのある実家です。跡地を極力、見たくなくて、そばを通らないようにしていました。父も愛した、素晴らしい桜の木があったんですけど、切られてしまいましたしね」
同社については、伊藤忠商事が買収を検討中であるなど、今後にも注目が集まっている。兼重氏はいま、事態をどう見ているのか――。
( SmartFLASH )