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年収1億超の上級国民なのに…経団連会長、万博予算の高騰に「人手不足とインフレは予想しにくい」無責任発言に批判集まる

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.12.15 16:30 最終更新日:2023.12.15 16:38

年収1億超の上級国民なのに…経団連会長、万博予算の高騰に「人手不足とインフレは予想しにくい」無責任発言に批判集まる

十倉経団連会長(写真:つのだよしお/アフロ)

 

 大阪・関西万博の開催費用の上振れが止まらない。もはや、「青天井」と言っていいほどだ。

 

 12月14日、「大会運営費」が当初計画の約1.4倍になる見通しであることがわかった。10月20日には、建設費が1250億円から2350億円と、1.9倍になることが発表されたばかりだけに、「後出しジャンケンだ」との批判がやみそうにない。

 

 

「14日の日本国際博覧会協会の会合で、運営費用が当初見込みの809億円から1160億円になる見通しだとされました。運営費には会場の広告宣伝費、清掃業務などの人件費、警備費などが含まれます。

 

 上振れしたおもな理由は人件費の高騰ですが、協会は1160億円の8割にあたる約970億円をチケット収入、残る約190億円を公式キャラクター『ミャクミャク』などのグッズ販売で充当するとしています。しかし、そのすべてが『捕らぬ狸の皮算用』です。

 

 万博協会は、11月30日から販売を始めた前売りチケットの販売数を発表しましたが、12月6日現在で5万4072枚。目標は1400万枚ですから、ほど遠い数字です。チケットやグッズで賄いきれず、赤字になったとしても、どう対処するかは決まっていません」(経済担当記者)

 

 なんとも呑気な話だが、そうした状況下、万博協会の会長を務め、経団連会長でもある十倉雅和氏の発言に批判が集まっている。

 

 十倉氏は、相次ぐ予算上振れに対して、会見でこう話した。

 

「事態を予想できなかったのは誠に申し訳ないと思うが、今のような人手不足がこんなに激しくなり、インフレがここまであがるということは、なかなか予想しにくい部分があった」

 

 さらに赤字になったときの対応を聞かれると、「入場券の販売数をもっと確保できないかも含め、知恵を出して赤字にならないよう工夫して運営していく」と無責任なコメントを出した。

 

「十倉氏は住友化学の会長で、2022年は1億1800万円の役員報酬を受け取っています。これまで『消費税を上げろ』など庶民を敵に回すような発言を繰り返しており、『上級国民に、庶民の生活実感はわからない』といった批判を浴びています。

 

 ちなみに、住友化学は2024年3月期決算で950億円の赤字になる見込みだと公表しており、創業以来の危機的な惨状です。

 

 長く経営の中枢にいながら、人件費や材料費の高騰を予見できないと発言した十倉氏に対して、『まずは自分の会社を立て直してから言え』といった批判も寄せられています」(前出・経済ジャーナリスト)

 

 実際、ニュースサイトのコメント欄にも、

 

《こんなので良くもまぁ経団連の会長が務まりますね》

 

《こんな責任者は更迭したほうがいいよ。無責任以外のなにもんでもない。申し訳ないなんて微塵も思ってないね》

 

《こんなのが経団連会長やってるから日本経済が良くならないんだ》

 

 など批判が目立つ。さらに、

 

《赤字補填をタラレバ話にするのではなく、そろそろその補填をどう処理するかも含めて実像を示すべきだと思う》

 

《興味も恩恵もない地域住民以外の国民にこれ以上負担を強いるのはやめて欲しい》

 

 と言った声も――。

 

 開催まで残り500日を切った。海外パビリオンの着工は、いまだゼロである。

( SmartFLASH )

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