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裏金問題「4000万円だと逮捕」情報で「修正」「自己申告」ドミノ…宮澤博行氏、堀井学氏に続くのは誰か「抜け駆け」に疑心暗鬼
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.12.15 18:05 最終更新日:2023.12.15 18:12
自民党安倍派に端を発した政治資金パーティー裏金問題は、松野博一官房長官、西村康稔経産相、鈴木淳司総務相、宮下一郎農水相らの更迭にまで至り、収まる気配がまったくない。
「12月13日に臨時国会が閉会して、東京地検特捜部の捜査も本格化しています。安倍派、二階派の事務所の家宅捜索、大臣経験者も含む国会議員の一斉聴取などが見込まれ、永田町の激震はまだまだ続きそうです」(政治担当記者)
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騒動が起きて以降、3200万円が未記載だった池田佳隆元文科副大臣はじめ、次々に政治資金収支報告書を「修正」「訂正」する議員が増えている。多くは「事務的な記載誤り」と言い訳しているが、 “修正ドミノ” は止まりそうにない。
同じように、自ら「裏金を受け取りました」と明らかにする議員も出始めた。衝撃的だったのが、安倍派の宮澤博行防衛副大臣の証言だ。
宮澤氏は、テレビカメラの前で「こうなった以上、正直申し上げます」と前置きして、
「(政治資金収支報告書に)記載しないでよいと派閥から指示がありました。大丈夫かなと思いましたけど、これで長年やってきているんだったら適法なのかなと。そういうふうに推測せざるを得ませんでしたので、指示に従ったわけです。はっきり申し上げます。(未記載は)3年間で140万円です」
と “裏金” 授受を告白。さらに「しゃべるな、しゃべるな。これですよ」と派閥から箝口令が敷かれていたことまで暴露したのだ。
「この発言後、宮澤氏は防衛副大臣の職を辞しました。世間的には『良心の呵責に耐えられず』とも言われますが、永田町では『金額が140万円と少ないので、逮捕されることはないという判断が働いて発言しやすかったのでは』とささやかれています。
実は2023年1月、衆院議員だった薗浦健太郎氏が複数の政治資金パーティーの収入を収支報告書に記載しなかったことで、政治資金規正法違反の罪で略式起訴され、罰金100万円・公民権停止3年の略式命令が確定しました。
このときの金額が4000万円だったので、『4000万円以下なら逮捕や起訴はない』というふうに捉えられています。いわば『薗浦基準』というべきものです」(自民党関係者)
元大阪地検検事の亀井正貴弁護士は、14日放送の『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日系)で、「数百万円から1000万円ほどであれば起訴しないという前例ができている」とした。だが、明確な基準はないそうで、「不記載が1000万円程度なら、起訴されずに収支報告書を書き直して終わりになる可能性が高い」としている。
宮澤氏に続き、同派の堀井学衆院議員も、14日、2018~22年の5年間で1000万円を超えるキックバックがあったことを明かした。
「『秘書が経費として使っていた可能性がある』としましたが、当時の秘書はいま事務所に在籍しておらず、正確な額を確定するには精査が必要と説明しました。『秘書がやったこと』なので、使途や派閥からの指示も不明です。
堀井氏は、2023年9月に内閣府副大臣に任命されましたが、14日に辞任しました。今後は、捜査当局からリークされて明るみになるより、世論の心象がいい『自主申告』する議員が続くと思われます。自民党内は『次に抜け駆けするのは誰だ』と疑心暗鬼です」(前出・政治担当記者)
膿は早く出した方がいい。
( SmartFLASH )