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「誰が見たがるねん」大阪万博・55年前の「月の石」再展示構想が浮上「衰退国家感」に寄せられる悲しみ
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.12.25 16:25 最終更新日:2023.12.25 16:28
太陽の塔の次は、「月の石」―――。
延べ約6421万人が来場し、人気を博した1970年大阪万博にあやかろうとする動きが続いている。
11月29日、大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は、主要3施設の概要を発表した。
万博の開会や閉会イベントなどがおこなわれる大催事場(EXPOホール)は、1970年大阪万博のシンボル「太陽の塔」を意識して設計されたもので、今回も会場のシンボルのひとつとなるという。
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12月24日には、1970年大阪万博の米国パビリオンで人気を博した「月の石」を、2025年の大阪万博で再び展示する構想が浮上していることを毎日新聞が報じた。報道によると、米政府が検討しており、日本の政府関係者は「前回の大阪万博を知る人には懐かしい。月の石を再確認するために万博にいくというのもいい」と歓迎しているという。
1970年大阪万博の米国パビリオンでは、アポロ12号が1969年に持ち帰ってきた、重さ約900gの「月の石」が展示され、待ち時間は4時間以上という長蛇の列ができた。延べ約1400万人が見学するほどの人気だったという。
日本維新の会の東徹参院議員は12月24日、自身のX(旧Twitter)にこう書きこんだ。
《1970年万博に2回ぐらいは行ってるけど「月の石」は、覚えていません。見れるなら並んででも見たいですね。》
だが、SNSではこんな疑問の声を呈する声が。
《えっ?……月の石なら、上野の国立科学博物館に行けばいつでも展示されてるけど……?》
東京・上野にある国立科学博物館には、2種類の月の石が展示されている。1つは、1969年に人類初の有人月面着陸・探査に成功した米国のアポロ11号が持ち帰ったもの。もう1つは、1972年にアポロ17号が持ち帰ったものだ。
2025年万博をめぐっては、海外パビリオンの建設の遅れや会場建設費が当初の2倍、最大2350億円に膨らんでいることに批判が高まっている。
そのなかで浮上した「月の石」再展示構想にも、SNSでは批判の声が殺到している。
《ここまでアイデアが枯渇してるんですね。断末魔という言葉しか思い浮かびません。今さら、誰が見たがるねん》
《高度経済成長期だった頃の大阪万博を懐かしんで「月の石」を再展示しようとか、日本の衰退国家感が半端なくてみじめ過ぎるからやめて欲しい》
《は?なんでこぉ陳腐なの?なぜ、新しいものを創り出そうという発想が無いかな。しかも、どこまで行っても昭和脳だよね》
2025年万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。過去の栄光にすがる発想で、2820万人もの想定来場者数を達成できるのだろうか。
( SmartFLASH )