12月27日、大阪府・市と関西経済連合会などは、2025年大阪・関西万博期間中の交通混雑の緩和に向けて、2024年9~10月に時差出勤やテレワークを試行してもらうよう、民間企業に呼びかけることを決めた。
2025年4月13日~10月13日に開催される万博の想定入場者数は2820万人。8月中旬から会期末にかけて混雑する見通しで、ピーク時には1日あたり平均22万人7000人を想定。だが、会場の夢洲(ゆめしま)に直結する鉄道は大阪メトロ中央線のみで、混雑率はピーク時に約140%になると見込まれている。
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そのため、沿線や市内の主要駅を利用する企業を中心に時差出勤やテレワークの推進、通勤経路の変更などの協力を要請する。効果検証のため、協力企業を2024年2月頃から公募するという。
だが、大阪万博のために、テレワークを要請することに、SNSでは批判的な声が多くあがっている。
《大阪の交通、物流が大混乱する予感。万博による経済への”マイマス効果”の試算も、是非お願いしたい》
《いやいや、それ、おかしいでしょ。万博みたいな遊びのために正規の事業に業務を譲れと?あまりにも身勝手すぎませんか? ていうか、ほんまにそんなに盛況になるんですかね?》
《対策するほど来場者数が多いとは思えんけど そもそも万博を中止にすればそんなことしなくてもいいよね、失敗は目に見えてるし中止にしようや》
などと、「ガラガラ万博」を危惧する声も多い。
12月25日、三菱総合研究所が発表したアンケート結果では、万博に「行きたい」と答えた人は全国で26.9%。前回4月から4.0ポイント下落した。万博への関心についても「大いにある」「まあある」の合計は27.4%で、同じく前回4月から4.1ポイント下がった。
立憲民主党の蓮舫参院議員は12月27日、自身のX(旧Twitter)にこのアンケート結果を報じた記事を貼り付けたうえでこう書きこんだ。
《想定来場者数は2820万人。USJ、ディズニーシー・ランドの半年間入場者数は600万人~500万人。同じ期間で4倍を見込み、運営費の約8割を入場券収入で賄う見通しの大阪万博。2兆円を超える経済効果と維新知事らが繰り返すが、大きいのは来場者の消費効果との試算。すでに前提が崩れている。》
実業家のひろゆき氏も12月21日、自身のXに、万博の来場者数を2820万人と想定していることに疑問を投げかけている。
《ディズニーランドの3倍の来場者数を想定する大阪万博。民間がやるなら、「好き勝手言ってるなー」で終わるのですが、嘘の数字で税金使うのはどうかと思うおいらです。》
実際、万博に投入される税金は膨大だ。
12月19日、政府は万博の費用の全体像を発表したが、万博の会場跡地にカジノ・IRが建設されることを見込んだインフラ整備費は約9.7兆円。
さらに『空飛ぶクルマ』の実証事業など万博に向けた各府省の行動計画に盛り込まれた事業費は約3.4兆円。会場建設費など1647億円、会場内の運営費用1160億円、博覧会国際事務局の分担金72億円などを含めると、総額で13.4兆円もかかることが明らかになっている。
13.4兆円もの税金が投入されることに、SNSでは批判的な声が殺到している。
《日本政府、少子化対策3.6兆円の財源確保が難しいと言いながら、大阪・関西万博には総額13.4兆円の大盤振る舞い 大阪万博なんかの為に増税されると思ってもしかたないですよね!》
《逆だろ! 少子化対策に13.4兆円使えよ!こんな事してたら、日本は滅びるよ!》
《大阪万博やギャンブル振興は反対です。大阪万博分の13.4兆円を子育て支援とスポーツ強化にしましょう》
大阪府の吉村洋文知事は、27日、情報番組『newsランナー』(関西テレビ)に出演し、「(大阪のベイエリアを)負の遺産の状態のまま、放っておけない。万博のあと、当然まちづくりをするんですよ」と語っているが、万博とその後のカジノ・IRが失敗したら、夢洲は巨大なゴーストタウンとなりかねない。
( SmartFLASH )