社会・政治
町山智浩が「ラスベガス銃乱射」で銃規制の困難さを語った
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.10.13 11:00 最終更新日:2017.10.13 11:00
10月5日放送の『荻上チキ Session-22』(TBSラジオ系)にて、アメリカ在住の映画評論家・町山智浩が、ラスベガスで起きた銃乱射事件について語っていた。
10月1日、アメリカのラスベガスで、銃を持った男がコンサート会場に向けて乱射し、多くの死傷者を出した事件が起こった。
今回の事件は、これまでアメリカ政府や民主党が目指していた銃規制では止められないような事件だったという。
「銃規制で民主党がやろうとしていたのは『バックグラウンド・チェック』というものなんですね。それは銃を買う際に、精神病歴や犯罪歴を調べて、それがない者にだけ銃を売ることができるというような法律にしようとしていたんです。
(法案は)議会を通っていないんですけど、もし通っていたとしても、今回、その犯人には犯罪歴も精神病歴もなかったので、(今回の銃乱射事件を)止められなかったということですね」
今回の事件では、犯人は銃を1年以内に40丁以上を買っていたという。それ自体は法律に違反しないのか。
「これがいちばん大きな問題で。現在アメリカでは、平均すると国民1人に対して1丁弱ぐらいの銃があるという計算になっているんですが、コレクターが非常に多くて、1人で8丁とか10丁とか持っている人が多いんですよ。
それと、(銃を1丁も)持っていない人がいるということで、平均するのはあまり意味がなくて。1人でいくら買っても、それ自体は規制されないということが問題。この犯人の場合は40丁以上ですから、もう武器庫みたいになっていたんですが、それを規制する法律はないんです」
では、今回の事件を受けて、どのような規制を進めていく流れなのか。
「現在、これよりも厳しく規制すると、銃そのものを売らないということしかできないと思います。特に拳銃に関しては規制した方がいいという話があったんですけども。
ただライフルの場合には、憲法の修正第2条で規定している民兵の銃がライフルなんですね。よく言われているのは『憲法修正第2条は、アメリカ政府に対して国民が抵抗戦争するための銃の所持の認可なので、拳銃よりもライフルをOKしているんだ。ライフルの方を持つことを許しているんだ』ということ」
つまり、ライフルを規制するためには、「修正憲法第2条そのものの見直し」ということになる。
アメリカで銃規制が進むには、大きな関門があるようだ。