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「ルール明文化して!」救急車有料化 “はじめの一歩” であふれる賛否…三重県松阪市で「救急搬送されて入院しない場合」7700円徴収
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.01.22 21:30 最終更新日:2024.01.22 21:30
1月19日、三重県松阪市は、市内の3病院に救急搬送された患者のうち、入院に至らなかった患者から7700円を徴収すると公表した。同日、地元紙「夕刊三重」が報じた。
記事によれば、同市の救急車の出動件数が、2023年に過去最多の1万6180件を記録するなど、軽症でもとりあえず救急車を呼ぶ「便利使い」に歯止めがかからない状況が背景にあるという。見出しに《救急車“便利使い”歯止め》とあることから、SNSでは「救急車の有料化」と判断され、賛否が渦巻くことに――。
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《何てことだ。「救急車を有料に」がついに現実となってしまった。救急車を呼べなくなってしまって命にかかわるよ、これ》
《松阪市では、とうとう救急車が有料に。ひどい。入院措置になるかどうかなんて切迫した段階でわからないし、そんなことを考えてる暇などないのに》
と反発する声もあれば、
《救急車有料化は大賛成なんだけど全国統一でルールを明文化してほしい》
という声も。
一方、俳優の高知東生は、1月20日、自身の「X」にこう書きこんだ。
《「いよいよ救急車が有料化されるのか」と思ってしまったが全然違った。この良く知らないことをパッと見た文字面で判断してしまう悪癖なんとかしたい》
いったいどういうことなのか。救急車は有料化されるのかされないのか、松阪市の健康福祉部健康づくり課に聞いた。
――今回の動きは、救急搬送が有料になるということでしょうか?
「『選定療養費』を徴収するということで、救急搬送が有料になるということではありません。
平成28年(2016年)の健康保険法改正により、200床以上の地域医療支援病院は、ほかの医療機関からの紹介状を持たない初診患者から、診療費のほかに選定療養費として7000円以上を徴収することが義務づけられました。
これまで救急車の搬送ではかからなかっただけで、いまも地域の総合病院にかかるとき、紹介状がないと7700円徴収されているわけです。
ほかの地域でも、救急搬送で軽症だった患者から選定療養費を徴収しているところはあるんです。県内では日本赤十字社伊勢赤十字病院。東海地方だと、愛知県の豊川市民病院、半田市立半田病院、小牧市民病院などは徴収しています。
そういうところを参考にしながら、この松阪地区の基幹3病院(松阪中央総合、済生会松阪総合、松阪市民)と消防、市などで協議して、6月1日から徴収させていただくことを1月19日の市議会に報告したかたちです。
生活保護(受給世帯)の方や難病指定の方、またかかりつけ医で診療したところ、『救急で総合病院に行ったほうがいい』となった場合は、徴収の対象外となります」
――2023年に松阪市で救急車の出動件数が過去最多の1万6180件。現場の負担は大きいのでしょうか?
「救急搬送で軽症の方が来られても、現場の医療機関では救急医療の対応になります。このままの状態ですと、救急体制も限界を迎えて、助かるはずの命が助からない、早期治療ができなくなる事態になることも懸念されます。
適正に受診していただきたいという思いがあり、また、救急を継続的に運営していくため、3病院が同じルールでやっていこうと決めたわけです。
反応はまだそれほど来ていません。これからいろんなご意見があると思いますが、市役所としては、これまでの協議内容をご説明して、今後に向けて周知啓発をしっかり進めたいところです」
高齢者の増加もあり、近年、救急車の出動要請が全国的に激増している。
「総務省の資料によると、2022年、救急車の救急出動件数は722万9838件で、前年に比べて103万件以上も増えました。搬送人員も621万6909人で、前年比で72万人以上増えています。救急出動件数、搬送人員ともに大幅に増加し、統計開始以来、過去最多を記録。
なかには、軽症なのに安易に救急車を呼んだり、タクシー代わりに利用する人もいて、本当に必要な人の搬送に悪影響が出ているのが実情です。今回の松阪市の対応は『救急車有料化』ではありませんが、“はじめの一歩” として、今後その方向に向かう可能性は否定できません」(経済担当記者)
なお、救急車を呼ぶべきかどうか判断に迷う場合、まずは各地にある救急相談ダイヤルに相談しよう。東京を含む大都市では、#7119という相談ダイヤルがある。また、「Q助」という携帯アプリもあるので、ぜひ活用を――。
( SmartFLASH )