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東京都「麻布十番駅シェルター化構想」も「パニック想定できる」と早くも不安の声…東京メトロは「機能想定して設計していない」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.01.25 20:10 最終更新日:2024.01.25 20:11
1月25日、北朝鮮国営の朝鮮中央通信が、新型戦略巡航ミサイル「火矢-3-31」型の初めての発射実験を前日に実施したことを報じた。
度重なる北朝鮮のミサイル発射実験により、日本でも不測の事態が起きないか危惧されるが、東京都は「外国からのミサイル攻撃」を想定して、新年度から都営地下鉄大江戸線の麻布十番駅(港区)の構内にある「防災備蓄倉庫」を改装して「地下シェルター」の機能を持たせることを発表した。調査費などの関連経費2億円を予算案に計上するという。
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1月25日付の読売新聞によると、全国の都道府県は国民保護法に基いて、ミサイルが着弾した時の爆風などから身を守る『緊急一時避難施設』を指定しているという。同施設は、2023年4月時点で、学校や公共施設など約5万6000か所に上ると伝えられている。
また記事よれば、都の構想では、シェルター内に長期滞在できるよう換気設備を整え、水・食料・非常用電源・通信装置などを備えるそうだ。
「ロシアから軍事侵攻を受けているウクライナでは、キーウ市内の地下鉄のホームが24時間開放され、シェルターとして活用されています。地上から100メートルほど深くにありますから、市民はそこに逃げ込みます」(ジャーナリスト)
麻布十番駅が選ばれた理由については、「地上から32メートルの深さにあり、都内地下鉄で防災備蓄庫を備えているのは麻布十番駅と清澄白河駅の2カ所だからです」と社会部記者が語る。
しかし、ネット上では早くも心配の声が。
《もし有事の時に皆が地下鉄に逃げ込んだとする、ものの数分でホームや構内に人が溢れて、パニックになることは容易に想像される》
《いまさら麻布十番に設置したところで、都民全員を守れるシェルター整備までどのくらいかかるのか。この点については、考えるだけでも嫌になる》
《都民ですが、シェルターに歩いて行ける距離に住んでいないので複雑な心境です》
ちなみに東京メトロの広報担当者は、麻布十番駅について、「シェルターとしての機能や役割を想定して設計されておりません」と本誌に回答している。
都は今後、ビル建設時にシェルターに転用可能な地下空間を設置するなど民間での整備を後押しするという。国もシェルター整備をする自治体への財政支援を行う予定だ。
( SmartFLASH )