2月20日の東京都議会で、小池百合子知事が「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の防止条例を制定することを表明した。小池知事は「都内企業においても深刻化している。東京ならではのルール作りが強く求められている」と、その必要性を説明した。
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顧客が従業員に対し、理不尽な要求や過度のクレームを繰り返す「カスハラ」は、被害を受けた従業員が心身の不調を訴えたり、ときには自殺に追い込まれたりするケースもあり、社会問題となっている。
SNSには
《よし、ようやく「お客様は神様」じゃない認識が広まるかな(サービス業従事者の独り言)》
《これは全国的に広まってほしい》
《カスハラ関係はもう国が法律として定めて欲しい。(切実)》
など、歓迎する声が多数あがっている。
「カスハラの防止条例は、制定されれば全国初ですが、ほかに北海道議会でも検討されており、今後は全国的な動きになるとみられています。
厚生労働省は、2022年にカスハラ対策の企業マニュアルを作成。2023年9月には労災の認定基準を改正し、カスハラも労災の対象となっています。
2023年12月には改正旅館業法が施行され、カスハラ行為などをおこなう迷惑客の宿泊を、旅館やホテル側が断ることも可能になりました。
企業側の対応も少しずつ進みつつあります。バスやタクシーの運転手の『名札』がなくなっているのもその一環です」(週刊誌記者)
とはいえ、根はなかなか深そうだ。
危機管理コンサルティング「エス・ピー・ネットワーク」が2023年8月に公表した調査結果によれば、クレーム対応をおこなった経験のある会社員1030人のうち、直近1年でカスハラを受けたことがある人は64.5%にものぼっている。そして、カスハラ対策の方針のない企業が55.3%、マニュアルのない企業は68.1%だとしている。
東京都では、カスハラとなる禁止行為の具体例をガイドラインで示すとしているが、条例に罰則は設けないとしている。これについてSNSでは
《罰則無しで抑止力になるのかね?》
《カスハラ防止条例ができることは歓迎。しかし実効性があるものになるかな?》
など、疑問の声も少なくない。
「お客様は神様です」の時代は、とうに終わっているのだ。
( SmartFLASH )