2月27日、厚生労働省が人口動態統計の速報値を公表。2023年の外国人、在外日本人も含めた出生数は、過去最少の75万8631人だったことがわかった。これは前年より4万1097人、率にして5.1%の減少。さらに婚姻件数も戦後初めて50万組を下回り、48万9281組だった。
「出生数が減少するのは8年連続です。国立社会保障・人口問題研究所は2023年、『日本人の出生数が76万人を下回るのは2035年』と推計しましたが、想定より10年以上早く少子化が進行していることになります」(社会部記者)
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出生数が減少している原因は「コロナ禍で婚姻数が減少したまま回復していない」「実質賃金が上がらず、2人目の出産はあきらめた」などさまざま。ニュースサイトには、
《政官民が何も対策をしなくて就職氷河期世代を冷遇してきたのだからこうなるのは当然でしょ》
《安定した収入と暮らしがどうしても必要。要するにこれがないから、つまり国家に対する信頼がないから子供が生まれてこない》
《社会保険料の高騰、税負担、格差拡大で 若者が結婚したくてもできない状況が続く》
などの書き込みが寄せられている。
こうしたなか、3月2日付けの日本経済新聞『NIKKEIプラス1』の「くらし探検」で、「セックスレス、少子化に影 子を望む30代既婚者でも4割」という、興味深い特集記事を掲載している。
日本性科学会は「特殊な事情がないのに性交渉が1カ月以上なく、長期にわたりそうな場合」をセックスレスと定義している。記事では国際基督教大学の森木美恵教授の調査をもとに、「配偶者と性交渉が1カ月に1回未満だった割合は45%」「子どもがほしいと考える回答者に限っても20代で22%、30代で37%、40代で50%がセックスレス」としている。
セックスレスの原因は『長時間労働によるストレス』『家事と育児の疲れ』などいくつかあるが、意外なところでは「妻の膣内で射精できない男性が増えた」という指摘だ。
不妊外来を担当する婦人科医は、本誌の取材に、
「膣内射精ができないなど、性行為における射精障害を抱える男性は増加しています」と言う。
「おもな原因は、思春期における不適切な自慰行為です。手や指で過度な圧迫を加えたり、過激なアダルトコンテンツを見過ぎたことで、実際の性交渉がうまくいかないことが多いのです。その結果としてセックスレスになるケースが目立っています。
また、婚姻前に性交渉の経験が少ないため、不安や満足感が得られないことでセックスレスになることもあります」
この医師は、「セックスレスを防ぐためにも適切な時期の性教育が大切」と言う。出生数を上げるには、さまざまなアプローチが必要なようだ。
( SmartFLASH )