またも「知らなかった」「わからない」の答弁ばかりで国民はうんざりしている。
自民党の政治資金パーティー裏金事件を受けて、3月18日に開催された衆議院の政治倫理審査会(政倫審)に、下村博文元文部科学相が出席。下村氏は2018年1月から2019年9月まで安倍派の事務総長を務めていたが、「安倍派5人衆」と呼ばれる面々とは疎遠なため、発言に注目が集まっていた。
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実際、本誌の取材に、ある自民党幹部は「とんでもない爆弾発言をするのではないか」と戦々恐々だったのだが――内容は爆弾どころか線香花火よりも小さかった。
「下村氏は、2019年から2022年までの4年間で、計476万円の不記載があったと説明しました。超過分は専用口座や現金で管理、他のお金とは区別して『裏金として何かに使用した事実はない』としました。
また『派閥の会計には関与しておらず、清和研(安倍派)の収支報告書について相談を受けたり、指示をしたことはなかった』とも述べました」(政治担当記者)
キックバックについては、2022年4月、清和会の会長だった安倍晋三元首相から中止の指示があって初めて知ったことも答弁。ここで、森喜朗元首相の「影響力」について質問が飛んだ。
「立憲民主党の寺田学氏が、安倍派幹部が集まって資金の還流について話し合った2022年8月の会合について質問すると、下村氏は『還付を止めることが前提の議論だった。還付を継続すると決めたことはまったくない』と答弁。
寺田氏は続けて、1999年、政治資金改正法が改正されて資金管理団体への企業・団体献金が禁じられたため、安倍派会長だった森喜朗元首相の下でキックバックが始まったのではないかと質問しました。
これに下村氏は『私自身は18年まで還付を受けておらず、そういうことがあったことも承知していなかった』と述べました。正直、まったくのゼロ回答といえるでしょう」(同)
こうしたなか、自民党は裏金に関わった安倍派、二階派の議員計80人を、4月上旬にも一斉処分する方針を固めた。
「党則が定める処分で最も重い『除名』と、それに次ぐ『離党勧告』は見送られる公算です。
岸田文雄首相は役職、不記載額、説明責任の果たし方などを考慮して処分内容を決める考えです。おそらく『党員資格の停止』『選挙で非公認』などを科すものと思われます」(同)
しかし、前出の自民党幹部は、「この程度の処分では国民が納得しないのではないか」と指摘する。前明石市長の泉房穂氏も、自身のXに《「コロナ禍で銀座のクラブ」に行ったら、『離党勧告』なのに、「法律違反の不記載の裏金議員」には『甘々の処分』って、どうなんだろう》と疑問を呈した。
ほかにもSNSでは、
《同じ泥棒の手下だから処分検討すらする気なし!》
《やはり「火の玉」にもなれなければ、「命懸け」で党再生をはかる気もない首相》
など批判のポストが殺到している。そして、目立つのが
《引退しても絶大な影響力のある森喜朗元総理を証人喚問か参考人招致すべきだろ!》
《森喜朗を引きずり出さないと事態は収拾つかないでしょ》
といった森元首相の責任を問う声だ。はたして、このまま「やっているふり」だけで終わってしまうのか――。
( SmartFLASH )