社会・政治社会・政治

「どこまでも自己中」吉村府知事、玉川徹氏“出禁”謝罪もやまぬ批判 外国人観光客への「徴収金」もピンチに

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.04.11 16:59 最終更新日:2024.04.11 17:09

「どこまでも自己中」吉村府知事、玉川徹氏“出禁”謝罪もやまぬ批判 外国人観光客への「徴収金」もピンチに

大阪府の吉村洋文知事(写真・時事通信)

 

 4月10日、大阪府吉村洋文知事は、2025年大阪・関西万博をめぐり、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)でコメンテーターをつとめる玉川徹氏を“出禁”とした発言について、撤回し、謝罪した。

 

 3月23日に大阪府茨木市で開催された「維新タウンミーティングin茨木」で吉村知事は、約350億円の建設費用がかかるとされる万博の木造リングについて「絶対、これは何らかの形で残してほしいというくらいのものができている」と絶賛。そのうえで、「いま、批判している、名前言えませんけども『モーニングショー』の玉川徹。いま、批判するのはいいけど、(万博会場に)入れさせんとこうと思って。『入れさせてくれ』『見たい』といっても、もう『モーニングショー』は禁止。玉川徹禁止、と言うたろうかなと思う」と発言。会場からは笑いと拍手が起きていた。

 

 

 この発言動画は、SNSで拡散。《とんでもない言論弾圧》と物議を醸した。だが、4月1日、吉村知事は囲み会見で、こう強気な姿勢を示していた。

 

「出禁にする権限があったら絶対に言ってはならないし、僕も言いません。でも(その権限が)まったくないことが明らかななかで、もう少し、公平な報道をお願いしたいという政治的な主張です。もう少し、賛否両論を取り上げてもいいのではないか」

 

 発言の撤回は認めず、日本国際博覧会協会(万博協会)の役員(副会長)をつとめている点について問われても、「政治的な集会の場で、政治家としての発言であり、一定程度、自由にさせてもらいたいと思います」と述べていた。

 

 だが、吉村知事の“出禁”発言は、国会でも取り上げられる事態に発展。

 

 元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏は4月5日、『Live News イット!』(フジテレビ系)で「僕は、この発言は問題。ダメだと思います」と問題視。

 

「激しくののしり合うようなバトルをコメンテーターとやったとしても、自分の力をもって“出禁にするよ”みたいな、権力行使をにおわせるような発言は、たとえ冗談でもやってはいけない」と苦言を呈した。橋下氏は吉村知事に直接、自身の意見を伝えたとし、「よく考えると言ってくれていますので、吉村さんとしては、撤回はしていただきたいなと思います」とも語っていた。

 

 橋下氏の批判もあってか、4月10日の会見で、吉村知事は自身の発言についてこう謝罪した。

 

「振り返って考えて、これはいくら政治集会の場であったとしても言い過ぎたと思います。僕が間違っていたと思います。この点については、撤回して玉川さんに謝罪を申し上げます。やはり、いわゆる出禁の権限はないにしても、万博を積み上げていく作っていく立場でもありますし、たとえば政治集会とはいえ、やはりここは不適切な発言だと、間違っていた発言だというふうに思います」

 

 一方で、4月1日の会見で見せた、強気な姿勢を繰り返す場面も。

 

「(発言の)意図は変わっていないです。もちろん万博について批判的な意見、課題を指摘するというのは、報道機関として当然なことだと思っています。けれども、万博というのは、賛否もあって、いろんな技術者や科学者も含めて、海外のみなさんも含めて、賛成の意見も『課題を解決しようじゃないか』と、いろいろチャレンジされている方もたくさんいらっしゃるなかで、やっぱり賛否あることなので、そうであれば、放送機関としてやる以上は、賛否もある程度は公平に論じていただきたいという思いです。これは変わっていません」

 

 玉川氏を“出禁”とする発言は撤回し謝罪したものの、従来の主張を繰り返した吉村知事には、SNSで批判的な声が多く上がっている。

 

《問題発言は先月23日、散々批判されても我を通してたやん 18日も経って撤回しても何も反省してないやん。自分の分が悪くなったからやん。マズいと橋下など周囲に諭されたからやん どこまでも自己中で最低》

 

《でも別に頭下げるわけでもなく、「申し訳なかった」と言うわけでもなく、万博の予算が上がった時の謝罪と一緒なんだよね》

 

《この人の発言、撤回せなあかん事だらけやん。いつもヘタな言い逃れとかスルーとか有耶無耶にしてるだけ。この件は謝罪した方が得策と考えただけやろ》

 

 一方、吉村知事が3月6日に表明した、外国人観光客を対象に、大阪府として一定の金額を徴収する「徴収金」制度もピンチに陥っている。吉村知事は「できれば万博が開催される2025年の4月から運用を開始できないか」と述べていた。

 

 だが、4月10日、BIE(博覧会国際事務局)トップのケルケンツェス事務局長が、吉村知事らとの会談で「私の唯一の要望としては、徴収金の開始時期を再考してほしい。万博後にしてほしい」とする考えを示したのだ。

 

 吉村知事は、「決してこれは、万博と絡めるとは言っていない。インバウンドがさらに増えてくるなかで、そういう考え方もあると丁寧に議論していきたい」と発言したものの、日本維新の会前代表、松井一郎氏は同日、自身のXに、ケルケンツェス事務局長の発言を報じた記事を貼りつけたうえで、こう書きこんだ。

 

《現状オーバツーリズム状況でも無い、ここは吉村知事には急がず熟慮してもらいたい。》

 

 維新の“先輩”から、相次ぐ苦言。吉村知事は外国人観光客を対象とした「徴収金」も撤回することになるのだろうか。

( SmartFLASH )

もっと見る

今、あなたにおすすめの記事

社会・政治一覧をもっと見る