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「安倍は極悪人、維新はワルの集まり」潜伏生活から伝説の “悲恋” まで…中核派・清水議長がすべて答えた!【内部写真あり】

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.04.17 06:00 最終更新日:2024.04.17 06:00

「安倍は極悪人、維新はワルの集まり」潜伏生活から伝説の “悲恋” まで…中核派・清水議長がすべて答えた!【内部写真あり】

清水議長は潜伏生活やプライベートに関する質問には好好爺然と笑って答えるが、話が革命に及ぶや真剣な眼差しに

 

 ゲバ棒にヘルメット。機動隊に正面から殴り込み、放火や襲撃は当たり前――。1970年~80年代に「暴力革命」を目指し、過激な闘争をおこなってきた新左翼党派、中核派(革命的共産主義者同盟全国委員会)。令和の時代に息を吹き返しつつあるようで……。

 

「運動に波があるのは当然ですよ。しかし、私たちはこれまでも、これからも常に革命を目指して活動を続けてきましたからね。今、非常に勢いがあると実感しています」

 

 

 86歳とは思えない溌剌とした声でそう語るのは、中核派のトップ、清水丈夫議長だ。

 

 実際、中核派は2017年に公式YouTubeチャンネルを開設し、翌年末にはコミケに出展。2019年には、中核派幹部の洞口朋子氏が杉並区議会議員に当選するなど、硬軟織り交ぜて勢力を拡大している。そしてなにより、半世紀にわたり公に姿を見せていなかった清水議長が、2020年に表舞台に舞い戻ったのだ。

 

「ネット上での活動は、すべて若い人にまかせているんですよ。私の情報収集は紙の新聞や書籍。ネットニュースは読みません。私が潜伏したのは、中核派に破防法が適用され、逮捕されて活動ができなくなる恐れがあったから。表舞台に復帰したのは、国家権力による弾圧に勝ち抜き、思い切り活動できる条件を確保することができたからです」

 

 清水議長が社会主義運動に関心を持ったのは、小学生のころだという。

 

「10歳以上年の離れた兄が2人いまして、彼らは国鉄労働組合の組合員でした。幼いころから兄の政治談義を聞かされていたし、父は農家だったので、1947年にGHQ主導でおこなわれた農地開放にも巻きこまれました。だから、自然と政治に興味を持つようになりました。

 

 高校時代は、ラグビー部にも所属していましたが、社会科学研究会に入り、マルクス主義の学習会や天皇制批判の企画を立案、原水爆禁止運動にも参加しました。

 

 東大では最初に日本共産党に入党しましたが、共産党を批判し、共産主義者同盟(ブント)の結成に加わりました」

 

 そこから本格的な運動に身を投じ、全学連の書記長として60年安保闘争で頭角を現わすわけだが、清水議長には “悲恋” の噂がある。

 

 ブントの創立者である島成郎氏の回想によれば、ある日、安保闘争の際にデモで圧死した “悲劇のヒロイン” 樺美智子氏は「私、好きな人がいるんです……Sさんです」と、顔を真っ赤にして言ったという。Sとはずばり、清水議長ではないかと、長年囁かれているのだ。

 

「それはないでしょう(笑)。島さんは尊敬していますし、樺さんは当時、学生運動に参加する多くの女子学生のなかでも、とくに頑張っているということで知ってはいました。しかし、僕のほうはあまり意識していなかったし……」

 

 その後ブントから反帝国主義・反スターリン主義を掲げる革命的共産主義者同盟に入った清水議長。1969年から始まった、51年に及ぶ潜伏生活はどんなものだったのか。

 

「どこにいたのかって、そりゃあ言えません。たとえば、都内にも安全な場所はあるわけですよ(笑)。潜伏期間中はおもに文筆活動やレーニンの研究をおこなっていました。いつも一人でいたわけじゃなく、外部のいろんなメンバーによるサポートもありましたよ。

 

(普通の生活も人並みに送っていたということ?)お酒は32歳でやめましたし、徹夜は効率が悪いので、あるときからしていません」

 

 規則正しい潜伏生活――。“運動” 以外に、個人的な楽しみはなんだったのか。

 

「中高生時代は文学作品を読みましたが、今は小説は読まないですね。しいていえば、森林を散策するのが好きです。潜伏中にどうだったのかは言えませんが(笑)」

 

 表舞台に復帰した際は、演説中にはメンバーから “野次” を浴びた。

 

「『議長を野次れる組織だから、いいところだ』と、入ってきた若い人がいます。私に絶対権力なんてありませんし、私を含め40人ほどのメンバーがこの前進社に住んでいますが、会議をすれば自由闊達な意見が飛び交います」

 

ピストルを撃たれたら我々も撃ち返す

 

 2021年におこなわれた記者会見では、1971年に中核派が起こし、機動隊員1名が死亡した渋谷暴動事件についての責任を問われ、「仕方がない」と答えて批判を受けた。

 

「前提をわかってもらえていないんですよ。私たちはデモをしようとするけれど、機動隊、つまり国家権力という暴力が私たちを止めるんです。だったら闘うしかない。もし権力が棒で叩くなら、我々は棒で叩き返すし、ピストルを撃ってきたら、我々も撃つ。撃たれた人間は死にますよ。しかし、それが闘いであり、階級闘争なんです」

 

 近年、“ピストル” で撃たれた権力者がいる。2022年の安倍晋三元首相の暗殺事件について何を思うのか。

 

「それはなんとも……。私は旧統一教会の問題について詳しいわけじゃありません。しかし、山上徹也被告が抱える “権力への怒り” には共感しますよ。一般市民は想像以上に怒っている。安倍は極悪人。こうなって当然です。

 

 見どころがある政治家はいませんね。岸田文雄首相も何を考えているかわからないし、全然ダメでしょう。最近人気の日本維新の会は、ワルの集まりだと思っています。大嫌いですね。

 

 我々の組織から洞口議員が選挙活動はおこなっていますが、今の議会は基本的にブルジョア議会。やはり、最終的には暴力革命が必要だという前提は変えておりません」

 

 組織の規模も方針も違えど、約49年間の逃亡生活の末、1月に亡くなった桐島聡氏のことは、同じ “新左翼” としてどう思うのか。

 

「やはり桐島氏のやり方は間違っていますから、同情はまったくできないですね。もちろん、彼なりに頑張ったのだろうとは思いますけど」

 

 仮に、中核派がおこなう革命が成功した暁には、日本社会はどう変わるのだろうか。たとえば株式市場は……。

 

「そりゃ株式市場は廃止されますよ。今は資本家が資本を握っているわけですが、それをすべて労働者が握るんです。政府はなくなり、我々がそれに代わるセンターを作るんです。詳しくは、私たちが発行する新聞『前進』を読んでくださいよ」

 

 革命の日は近いと、清水議長は力説する。

 

「なによりね、米国は今どんどん軍備を増強して、中国に圧力をかけている。中国スターリン主義も反発して、軍を増強している。そして日本は米国に乗っかって軍拡をしていますね。これらのおおもとは、資本主義的帝国主義の矛盾ですよ。

 

 こういう帝国主義を打倒しない限り、大戦争が近いうちに必ず起こります。戦争になれば、当然徴兵ですよ。若い人たちはそれをわかっているんです。

 

 誰も殺したくないし、殺されたくない。戦争のない社会を求めて、運動に参加する人たちがとても増えている。今年の秋には非常に大きなデモをおこなう予定です。戦争を避けるためには、革命しかないんです」

 

 笑い飛ばすには、あまりに真剣なこの言葉。はたしてその日は……。

 

取材/文・角田裕育(ジャーナリスト)

( 週刊FLASH 2024年4月30日号 )

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