5月27日、「自民党政治の延命に手を貸す小池都政をリセットしてほしいという国民の声ははっきりしている。その先頭に立つのが、私の使命だ」と、都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)への立候補を高らかに宣言した立憲民主党の蓮舫参院議員。
6月2日には、立候補表明後、初めてとなる街頭演説をJR有楽町駅前でおこなった。
「当日はゲリラ豪雨が東京を襲い、有楽町駅周辺もバケツをひっくり返したような雨でした。それでも200人ほどの聴衆が蓮舫議員の演説を聞くために集まっていました」(政治担当記者)
【関連記事:小池都知事に都内52首長が出馬要請…「知事から依頼あった」内情暴露した都議が「まさに踏み絵」と徹底批判】
その街頭演説は、立憲民主党の枝野幸男議員の「応援演説」から始まった。枝野氏は「日本を代表する雨男」と紹介され、笑いを誘いながら壇上に立ったが、その後の発言が「公職選挙法」違反ではないかと物議を醸しているのだ。
「枝野氏の演説で問題視されているのは3カ所です。
(1)『知事と国会議員を兼職することができません。みなさんの力で、知事に当選させていただきたい』
(2)『世界に開かれた日本の窓口であるこの東京の政治が真っ当なものにならなければ、日本全体が真っ当なものになるはずがない。真っ当な都政を作るために立ち上がった蓮舫さんを、みなさんの力でなんとしても押し上げていただきたい。心よりお願い申し上げます』
(3)『みんなが安心して住める東京、そして日本を作っていきましょう。そのためにみんなで蓮舫さんを勝たせましょう。よろしくお願いします』
これが『告示前に投票をお願いした』とみなされれば、公職選挙法で禁止されている『事前運動』にあたる可能性があるのです」(同)
SNSでも、
《枝野の演説は、選挙の事前運動(公職選挙法違反)じゃないのかね?》
《街頭演説でここまでハッキリ分かりやすく事前運動する候補者は初めて見た》
《蓮舫さんの有楽町街宣の動画見て仰天。枝野さんの「蓮舫さんを勝たせましょう!」は事前運動じゃないの?》
など、疑問視する書き込みが目立っていた。
実際はどうなのだろうか。福岡県庁職員として選挙管理委員会に3年間在籍した経験があり、公職選挙法に詳しい弁護士の田村和希氏に聞いた。
「一般論としては、演説した時期や、対象(集まった聴衆の性質など)、どのような場所・方法でなされたか、などの具体的な事情によって個別的に判断されますから、軽々には言えませんが、微妙な事案です。
とらえ方によっては、投票の依頼と受け止められかねない言い方にも思えるところです。しかし、枝野先生も弁護士ですから、(公選法のことは)よくわかっていらっしゃると思います」
枝野氏は当日、自身のXに《力の入った街頭演説のときは一種のトランス状態のようになり、自分の話(どう展開していくのかという組み立て)と聴衆の皆さんの反応(反応に応じて組み立てを修正していきます)以外のことがほとんど入ってこなくなります》とポストしている。
聴衆の熱気につられて、ということだったのだろうか。
( SmartFLASH )