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「にしたんクリニック」西村社長 「ひとり親支援」太っ腹キャンペーンを生んだ少年時代の壮絶原体験

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.06.12 06:00 最終更新日:2024.06.12 06:00

「にしたんクリニック」西村社長 「ひとり親支援」太っ腹キャンペーンを生んだ少年時代の壮絶原体験

インタビュー中、笑顔を見せる西村社長

 

「ピュアなものに惹かれるんですよね。子供ってピュアじゃないですか。私はこれまで普通の人より何倍も何十倍も修羅場をくぐってきたと思うんです。濁流を見たからこそ、清流の美しさが余計に際立って見えるんです」

 

 こう話すのは、ユニークなCMで話題の「にしたんクリニック」「イモトのWiFi」を手がけるエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長。同社は昨年12月にひとり親世帯を支援する『シングルマザー・シングルファーザー クリスマスプレゼントキャンペーン』を企画。当選した家庭10組へ、家族旅行をプレゼントした。

 

 

「にしたんクリニックのHP上で、12月18~25日の1週間募集をかけたところ、なんと7000件以上の応募がありました。一つひとつのメッセージに目を通したのですが、石垣島にお住いのシングルマザーの方が『子供は生まれてから一度も島の外に出たことがない』『子供は飛行機に乗ったことがないので、飛行機は一度宇宙まで出て飛行していると思っている』と書き込まれていました。このメッセージを観て『何としても島外の世界を見せてあげたい!』と思いました」

 

この家族には西村社長が自ら当選を知らせにノンアポで訪問、その様子はにしたんクリニックのYouTube公式チャンネルでも公開されている。

 

「シングルマザーさんは初め不審がっていましたが『当選おめでとうございます!』と書かれたフリップを見ると、状況を把握していただいたみたいで。すごく喜んでくれたんです。その後子供たちも連れてそのまま近くのレストランへ。子供たちの表情がすごく輝いていて、とても嬉しかったですし、ほかでは得られないパワーをもらえました。子供って無邪気でいいですよね」

 

とりわけ子供へ深い愛情を向ける。その理由には、西村社長自身の少年時代の体験があった。

 

「小学校2年生のときに、母親が自殺未遂を図ったんです。私が自宅のお風呂場で見つけて救急車を呼びました。いま思い出しても不思議ですが、意外と冷静でしたね。うちは父親が肝硬変で、母親がアルコール依存症という環境で働くことができず、生活保護を受給していました。家庭を支えるために、私は13歳から働いてました。10代は誰よりも働いたと思います。父親はその後肝臓がんになって、母親は365日中300日お酒を飲んでたんじゃないかな。いままでいろんな酒癖の悪い人を見てきましたが、母親以上の人に会ったことはありませんね。家の入り口のガラス戸は何度割れたことか…。帰宅して鍵がかけてあると、締め出されたと勘違いしちゃって石で割っちゃうんですよ。酔っぱらって道端に倒れていて、警察から連絡が来ることも日常茶飯事。近所の酒店にも、母親には酒を売らないでくれって言ったり、専門の大きな病院にも入院したんですが。結局直らなかった」

 

子供の目からしても大変さは理解できた。

 

「小学生のころ近所で友達と遊んでいると、八百屋の店先で倒れて寝ていたりするのを見つけたりしました。家庭訪問でもやっぱり酔っぱらっているので、先生とコミュニケーションが成り立たないし、すごく大変でした。そして私が30歳くらいのころ、60歳手前で他界しちゃいましたね」

 

それでも、西村少年にとってはただ一人の母親だった。

 

「破天荒な母親でしたが、すごく情が厚かったんです。絶妙にアンバランスというか。すごくアンバランスでヒヤヒヤすることは多いのだけど、変な魅力があった。経済的にはすごく苦しかったけど、困った人がいたらすぐに手助けしちゃうような人でした。そういう親に育てられたからかな。いまでも情が厚かったり義理堅かったりする人に対してとても惹かれますし、自分もそうありたいと思います。

 

大人になってから、一度母親に泣きごとを言ったことがあるんです。『苦しい』だの『もう逃げたい』だの。すると母親は『苦しいと思う感覚が生きているっていう証だ』って。『死んでしまったらそんな感覚もなくなってしまう』って言うんです。その言葉がすごく腹に落ちたというか、おかげでまた前に進むことができました。客観的には壮絶な家庭環境だったかもしれませんが、主観的にはとても温かくて素敵な家庭でした。私が理想とする家庭像は幼いころから培われたものなのかな」

 

いまや年商333億円の会社を率いる西村社長だが、お金より大切にしたいものがあるという。

 

「私はある程度のお金を得て、高級なものを買い、いろんな遊びをしましたが、やっぱりいちばんの幸せは身近にある家族の温かさです。今回のクリスマスプレゼント企画では、お金では買うことができない経験をさせていただき、こちらの方が本当に感謝しています。かかった費用の何倍もの幸せを感じることができるので、お金に余裕がある世の経営者の方に、是非お勧めしたい! 当選したご家族には旅行という体験をプレゼントしましたが、本当の目的は、旅行をして初めて観るものへの感動や、喜ぶ笑顔を皆で共有してもらうことなのかな。本当の幸せって『幸せの青い鳥』のように、じつはすごく身近にあるんだということに気づいてもらえると嬉しいですね。当選者の方と一緒にお食事をしたときに見た子供の笑顔は本当に素晴らしくて、特別なことをしなくても幸せは身近にあることなんだなと、実感しましたから」

( SmartFLASH )

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