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「被害は10億円超え」“新紙幣便乗詐欺”に犯罪ジャーナリストが警鐘を鳴らす 金銭消費貸借を装う巧妙な手口も

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.07.06 13:20 最終更新日:2024.07.06 21:03

「被害は10億円超え」“新紙幣便乗詐欺”に犯罪ジャーナリストが警鐘を鳴らす 金銭消費貸借を装う巧妙な手口も

新札交換した男性。 「8時に来たらすでに5人並んでいました」と驚いていた(写真・保坂駱駝)

 

「本日、新しいお札の発行を開始しました。どうぞよろしくお願いします」

 

 7月3日、日本銀行は約20年ぶりの新紙幣発行をXに宣言した。今回、福沢諭吉に代わり新たな“お金の顔”に選ばれたのは、近代日本経済の父の名を持つ「渋沢栄一」である。そして、5千円札は「津田梅子」、1千円札は「北里柴三郎」が印刷された。

 

 新紙幣には、偽造対策として、世界初となる3Dホログラムを採用された。また、読みやすいように額面数字を拡大するなど、ユニバーサルデザインにも配慮した新紙幣。だが“悪知恵”の働く者はどこにでもいるようでーー。

 

「警視庁の発表では、すでに都内で4件合わせて1500万円の被害が報告されています。いずれも、金融機関の職員を名乗ったものが、『旧紙幣を自宅で預けているのであれば、預かります』『新紙幣が発行されるので交換します』などと電話をかけることで、現金を騙し取る詐欺が横行しています」(社会部記者)

 

 

 犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は、全国では既に10億円以上の被害が出ていると指摘する。

 

「20年前もそうでしたが、新紙幣が印刷される際は、かならず便乗した詐欺が増えるんです。実際に、私のYouTubeチャンネルのお問い合わせフォームには、早くも約1年前から、新紙幣詐欺の相談が来ていましたよ。その中には2000万円も騙されてしまったという話もありますね。福岡県、愛媛県で被害報告が聞こえていて、全国で詐欺が多発している印象です。総額で10億円は超えていますよ」

 

 小川氏の元に寄せられた相談の中でもっとも多かったのは、新紙幣にまつわる“融資詐欺”だ。

 

「金銭消費貸借を交わすことで、詐欺にみえないようにするやり方です。旧紙幣を貸してくれれば、金利を月3%つけて、新紙幣で支払うと言うんです。契約上は個人間の金銭消費貸借なので、仮にお金を返さなくても即詐欺で逮捕される可能性も高くない、ということを見込んだ巧妙な手口です。実際にはすでに被害者が集まって被害届も出されており、判例まで出たことのある典型的な詐欺なんですけどね。

 

 特殊詐欺もそうですが、お金の話が出たらまず詐欺だと思わないといけません。もちろん、その感覚は誰にでも多かれ少なかれあるものですが、多くの人は、それ以上に『まさか自分が騙されるわけがない』と考えてしまっているんですね。ただ新紙幣が発行されるだけで、旧紙幣はそのまま使えます。怪しい話を聞いたら、まずは身内の人などに相談を必ずすることが大切です」

 

 新紙幣詐欺にはくれぐれも気をつけたいところだ。

( SmartFLASH )

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