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「日本に悪影響しかない」トランプ大統領復活で「関税アップ」「在日米軍への出費増」… “もしトラ” にはひろゆきも賛意

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.07.18 12:32 最終更新日:2024.07.18 12:32

「日本に悪影響しかない」トランプ大統領復活で「関税アップ」「在日米軍への出費増」… “もしトラ” にはひろゆきも賛意

共和党全国大会で演説するドナルド・トランプ氏(写真・アフロ)

 

「まるで世界一巨大な “蚊” のような音がした」

 

 自らの右耳を貫通した銃弾について、ドナルド・トランプ大統領はこう表現したという。自由の国を揺るがせた一大事を、「蚊の食うほどにも思わぬ」と言わんばかりのユーモアでうそぶくこの男の話題で、メディアは連日もちきりとなっている。

 

 銃撃事件を受け、“世界一の大富豪” イーロン・マスク氏が7月13日、トランプ氏の全面支持を表明するなど各方面が騒がしく動き出すなか、急速に現実味を帯びてきたのがいわゆる「もしトラ」の議論だ。「もしトラ」とは、「もしもトランプが再び大統領になったら?」を意味するネット用語だが、日本の “論破王” もその話題に関心を向けるひとり。

 

 

《トランプ氏が大統領になると、ウクライナへの支援も薄くなる。長期戦にすればロシアの勝ち。 欧州も支援しても意味ないかも、、となるので、 短期で和平にする方向に傾く。 ということで、ウクライナ・ロシア周りが落ち着いて、欧州経済が復帰するのは遠くない気がするなぁ、、と、》

 

 7月15日、自身のXでそう呟いたひろゆき氏。この投稿のリプライ欄には、納得の声が多数寄せられた。

 

《そうですね、トランプ氏の政策がウクライナ支援に影響を与える可能性は高いです。もし支援が減れば、欧州の立場も変わるかもしれません》

 

《和平方向に動くなら、アリですね》

 

《ロシアがウクライナを攻め得になったら中国が調子に乗って台湾に攻め込むリスクはありそうですね》

 

 トランプが大統領に返り咲くと、欧州経済が復帰する――。このひろゆき氏の指摘を専門家はどう見るのか。国際ジャーナリストの山田敏弘氏に聞いた。

 

「おおむね、ひろゆきさんのご指摘どおりですが、そもそもウクライナとロシアが長期的に戦争する可能性は薄いように思います。というのも、トランプ氏本人は『自分が大統領なら24時間以内にウクライナ戦争を終わらせる』と宣言しているんです。

 

 いつもながらのビッグマウスですけど、どう戦争を終結させるのかという政権奪取後のシナリオは政府筋から漏れ伝わってきており、NATO……つまりEUへの負担など、かなり具体的に詰められています。24時間以内は眉唾ですが、膠着状態の戦争が一転停戦に向かえば、欧州経済の安定化は十分期待できるでしょう」

 

 では、トランプ再選となれば、日本にはどのような影響があるのだろうか。

 

「トランプ氏は基本的にかなり親日寄りですが、ビジネスとして冷徹に判断を下します。まず日本への直接的リスクとして真っ先に考えられるのが、関税です。トランプ氏は国を問わず関税10%アップを打ち出しているため、特に自動車など、輸出入関連のビジネスに関しては関税上昇リスクを回避すべく、アメリカとの密な交渉が不可欠になってくるでしょう。

 

 たとえば、第一次トランプ政権でもやりましたけど、日本の自動車産業にアメリカの工場の増強などを実施させ、現地の雇用を生むよう導く。それをやらずにいると、『関税をあげるぞ』と厳しい交渉を仕掛けてくるのがトランプ氏の手です。

 

 要するに、『関税が上がるから、あなた達もアメリカで作ったらお金がかかりませんよ。どうぞアメリカに工場を作ってください』ということ。そういうビジネス面での “ディール(駆け引き)” はかなり駆使してくるはずなので、日本企業に直接の影響は大きいと思います」

 

 また、トランプから突きつけられるであろう無理難題として、避けて通れないのが「在日米軍」の問題だ。

 

「在日米軍に関しては、これまで以上に駐留経費負担増の要求が、確実に来ると思います。第一次トランプ政権においては、彼と親密な関係を築いた安倍晋三元首相の存在があり、調整弁としてうまく機能していましたが、今はもういない。

 安全保障上、対中国でも安倍さんとの関係性があってこそ日本に肩入れしてくれたトランプ氏ですが、今後は厳しいと見ざるを得ないでしょう。

 

 おそらくトランプ氏とのパイプ役として渡り合えるのは、現自民党では麻生太郎副総裁だけ。次の総裁選で麻生さんの息がかかった政治家が選ばれるなら、多少違ってくるでしょうが……。現時点では上川陽子外務大臣あたりが、いちばん無難なのでは。目下、トランプ陣営に親日派の政治家が政権入りの用意を進めているとの噂もありますが、対日政策にどう影響が出るかはまだ未知数ですね」

 

 銃撃事件後、「米国第一主義(アメリカ・ファースト)」を掲げるトランプが大統領になる可能性が高まっている現在、山田氏は日本政府が “踏み絵” を迫られる可能性に言及する。

 

「どこの国も “トランプ・シフト” に入ることを警戒・分析していますが、日本には悪い影響しかなく、難しいかじ取りを余儀なくされることになると思います。

 

 バイデン大統領だったら、きちんと交渉・根回しのもとに進められるので、何が起きるかも予見できていた。それがトランプ氏だと、突然上から、しかも絶対的に自分たちが有利になるように押しつけてくる。日本にとっては、確実にマイナスです。

 

『日本はアメリカのために何をしてくれるんだ』というプレッシャーが露骨になり、『フリーライド(タダ乗り)はだめよ』と脅してくるのがトランプ氏です。なんでもアメリカの言いなりで追随するのか、これまで以上に日本の姿勢が問われることになるでしょう」

 

“もしトラ” から “ほぼトラ” になりつつある昨今、われわれは選挙戦の行方を見守るしかない――。

( SmartFLASH )

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