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「“石破新党”で雪崩現象が」「“石丸新党”が第三極に」泉房穂氏&東国原英夫氏が激論“政権交代”仰天プラン

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.07.25 06:00 最終更新日:2024.07.25 06:00

「“石破新党”で雪崩現象が」「“石丸新党”が第三極に」泉房穂氏&東国原英夫氏が激論“政権交代”仰天プラン

前明石市長の泉房穂氏(左)と元宮崎県知事の東国原英夫氏

 

 過去最低を更新し続ける内閣支持率、政権交代を望む世論4割、都知事選でのネットを駆使した新勢力の台頭……国民は現状に「NO」を叫び始めた! 新刊『政権交代、始まる』を出版した前兵庫県明石市長の泉房穂氏と、元宮崎県知事の東国原英夫氏が、衰退が露わになってきた日本を蘇らせる大胆プランを提示する。

 

 都知事選の余韻が冷めやらない。連日のようにメディアを騒がせているのは、約166万票を獲得し、2位となった前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏だ。泉、東国原の両氏の舌鋒は、まず “石丸現象” に向かった。

 

 

泉 7月14日に『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)で石丸さんと共演した際、「一夫多妻制」への言及よりも驚いたのは、市長時代に給食費の無償化以外にどんな子育て政策をしたのかという、私の質問に対する彼の答え。石丸さんは言葉に詰まり、自身がおこなった具体的な政策がすぐには出てこなかったんです。

 

東国原 それが本当なら驚きです。政策を語ることは意味がないと都知事選で言っていましたから、答えようがなかったのかもしれませんね。

 

泉 でも逆にいうと、その姿勢は強い。石丸さんの選挙参謀を務めた藤川晋之助さんが、「少しは政策を語ったら」とアドバイスをしても、石丸さんは断わったそうです。たしかに、石丸さんの街頭演説に3回行きましたが、まったくといっていいほど政策を語らなかった。内容は自己紹介と、「私を初めて見る方はいますか」「YouTubeを観ましたか」「動画を撮って拡散してください」「みんなで楽しみましょう」「カッコいい大人になりましょう」。そんな話ばかり。政策を語ることに意味を見出していないのかもしれません。

 

東国原 私はそこに、自分たちの感性では考えられない世界を見た。つまり今後、政策を語らない街頭演説があり得るんだと。それで満足する人々がいるんだと。

 

泉 当初、彼はネットの世界で人気を得ましたが、現実社会においても166万票を取ったわけだから、ネットを駆使した戦いが、おおいに意味を持つことを証明しました。

 

東国原 2013年にネット選挙が解禁されて以降、「ネットとリアルの融合」が議論されてきましたが、長らくネットはサブの位置づけでした。しかし今回、ネットというバーチャルな世界が票につながった。ずっとリアルの世界にいた私たちにすれば、理解不能なところもあるが、もはや止めようと思っても止められない流れ。今後、政治におけるネットの活用が当たり前になることを、冷静に受け止めていく必要がある。ネットを駆使した選挙戦を繰り広げたのは、石丸さんだけではありません。SF作家でAIエンジニアの安野貴博氏は15万票、作家のひまそらあかね氏は11万票を取りました。ネットが無視できない媒体になった証拠です。

 

泉 今回、小池(百合子)、蓮舫、石丸の3陣営はまったく違う選挙をしていた。小池さんは表に出ない形で守り切った。蓮舫さんは政党に依拠する昔ながらの手法で、失速して3位。石丸さんはネットで拡散しながら新旧の対決構図を作った。この都知事選の結果から、学べることは多くあります。

 

東国原 ついでにいうと、小池さんは総理を絶対にあきらめていない。かつての石原慎太郎さんのように任期途中で辞め、総裁ポストを条件に自民党に戻ることもあり得ます。

 

 無党派層や若者の支持を受けて急浮上した石丸氏だが、それだけでは勝てなかった。

 

東国原 私も2011年の都知事選に出て、4期めの石原さんに及びませんでした。無党派層の支持だけでは、160万~170万票ぐらいが限界。

 

泉 東国原さんが取った票が、ある意味、マックスだと思います。しかし都知事選では、それだけでは足りません。

 

東国原 もし、石丸さんが4年後に再チャレンジされるなら、地域政党で足場を固めるとか、組織や団体に、ある程度、政策協力をしてもらったりしないといけない。

 

 都知事選後の記者会見で、国政選挙について問われた石丸氏は、「選択肢としては当然、考えます。たとえば、衆議院広島1区。岸田首相の選挙区です」と答えた。

 

泉 都知事になろうとして選挙を戦ってきたはずなのに、投票締め切り直後にいきなり広島1区で国政に行くと答えたことにも驚きました。

 

東国原 自分でも言っていたように、メディアをおちょくっているんですよ。俺はこれだけの票を取ったぞ、と。岸田さんの選挙区にボールを投げれば、その部分が切り取られて、バズるんじゃないかという計算があったと思うんです。

 

■政権交代を求める国民…実現はいつか?

 

泉 テレビではさらに、立憲民主党の泉健太代表の選挙区である京都3区や、日本維新の会の馬場伸幸代表の地元、大阪17区から出るかもしれないと、あえて言っていた。明らかに自分の言葉が切り取られてニュースになることを意識した発言やと思います。

 

東国原 人々の耳目を集める手法には長けている。ただ、その手法は見抜かれてきたという感じは正直、あります。

 

 都知事選と同じ “七夕選挙” となった都議補選で、自民は2勝6敗と惨敗。岸田内閣の支持率は、時事通信の調査で15.5%と史上最低を更新中。ANNの調査では43%が「政権交代を期待する」と答え、「自公政権の継続を期待する」を3カ月連続で上回った。新刊『政権交代、始まる』を上梓した泉氏は、現状をどう見ているのか。

 

泉 2023年の秋ぐらいから「救民内閣構想」を掲げ、大同団結による政権交代を訴えています。ただ、金権政治批判で世論の高まりはあっても、その先になかなか進めない。

 

東国原 私は小選挙区制に問題があると考えています。二大政党制をイメージして導入したはずなのに、二大政党にはぜんぜん、なっていませんから。

 

泉 自民は裏金批判でボロボロですが、立憲も国民から称賛されるような政策を出せず迷走中。維新は以前、勢いがあったけど、いまは完全にしんどい。ほかの党は言わずもがな。

 

東国原 自民が何十年も政権を握っている影響で、とくに地方に行くと、根が深い問題が存在する。有権者は政策などまったく見ずに、「誰々さんが言うから」と、そのとおりに投票しています。地方の選挙の7、8割はその状況。そこを切り開くのは並大抵のことではない。

 

 人口3万人の街から名乗りを上げた石丸氏に、「新党」を期待する声もある。選挙当日の7日、『Mr.サンデー』(フジテレビ系)に出演した石丸氏は、「泉さんなり、橋下(徹)さんが新党を立ち上げるとおっしゃる場合にはぜひ一緒に」と語った。構想の行方やいかに。

 

泉 最近、橋下さんは維新に対してきつい発言を繰り返し、石丸さんには、かなり好意的な発言をするなど、いろいろと動いているように見える。“石丸新党”に、維新の大部分の議員が離党して合流という可能性もあると勝手に推測しています。

 

■細川政権誕生時、若手は自民を割って出た

 

東国原 橋下さんが勝負をかけるとしたら次期衆院選、あるいは2025年の参院選くらいになるのでは。ただ、橋下さんは “いいおじさん” になってしまっていて、いまさら政治闘争の現場に出たくないかもしれないが、プレーヤーではなく顧問のような感じで、吉村(洋文)さんや石丸さんを支えるというのはあるかもしれません。橋下監督のもと、ピッチャー・石丸、四番・吉村みたいな形で、第三極になり得る。

 

泉 いまのままの維新を続けるより、新党結成のほうが票は伸びる可能性が高い。

 

 かつて細川護熙(もりひろ)政権が誕生したころ、自民から若手が次々と飛び出した。翻って、いまはそんな動きは聞こえてこない。しかし泉氏は、「さまざまなシナリオがあり得る」という。

 

泉 石破茂さんが自民を離党して“石破新党”を結成するという選択肢です。じつは先日、田原総一朗さんの卒寿をお祝いするパーティで石破さんとご一緒した際、石破さんから「泉さん、新党を作ろうか」と冗談を言われたんですよ。

 

東国原 本当ですか?

 

泉 もちろんその場限りの笑い話にすぎませんが、後で考えてみると、石破さんが党を飛び出し、自民の一部を引き連れて“石破新党”を作れば、雪崩現象が起きて野党からも新党に参加する議員が出てくるはずです。石破さんも若かりしころ、自民を1回、飛び出していますからね。

 

東国原 なるほど、石破さんも67歳、最後のチャンスかもしれません。自民には世話になったという気持ちがあるでしょうが、社会や国家のために、最後の勝負をしてもいいかもしれませんね。

 

■生活必需品だけでも消費税をゼロに

 

泉 その場合の公約は、たとえば「企業・団体献金の禁止」と「食料品の消費税ゼロ」のふたつだけでもいい。石破さんが「この指止まれ」と声をかければ、野党の一定数が合流する。いまの政権交代の機運のなかで「新しい日本を作り直そう」とでもいえば、イケるんちゃうかな。

 

東国原 自民の総裁選に出るよりも、そっちのほうが総理の道は近いんじゃないですかね。新党とそれに賛同する勢力により、首班指名選挙で過半数を得て、石破総理が実現する可能性はありますね。

 

泉 石破さんの主張は一定の安心感があるので、国民も賛同しやすい。“石破新党”は突拍子もないことのように聞こえるかもしれませんが、じつは意外と現実的な選択肢だと思う。政策はあくまで国民のほうを向いたものにする。目玉のひとつは、自民にはできない企業・団体献金の禁止。きっと、みんなびっくりするはず。もうひとつは、国民生活の負担軽減。せめて食料品などの生活必需品だけでも、消費税をゼロに。まずは3年間限定でもかまわない。「スーパーで消費税を気にしなくていいようにします」くらい言わないと、国民は納得しない。石破さん、いかがでしょうか。

 

 現状を変えるのは石丸新党か、石破新総理か、はたまた地方の元首長の2人か。

 

ひがしこくばるひでお 
1957年、宮崎県都城市生まれ そのまんま東としてビートたけしに師事。早稲田大学卒。第52代宮崎県知事(2007年~2011年)。元衆院議員(2012年~2013年)

 

いずみふさほ
1963年、兵庫県明石市生まれ 明石市育ち。東大教育学部卒。弁護士。元衆院議員(2003年~2005年)。前明石市長(2011年~2023年)。現在は日本社会を変えるべく活動中

 

写真・長谷川 新、梅基展央、馬詰雅浩、共同通信

( 週刊FLASH 2024年8月6日号 )

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