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「魔女狩りと同じ」「“武士の情け” 求めよ」四面楚歌の兵庫県知事に舛添要一&米山隆一元知事がアドバイス「身を引く決断も職務」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.07.29 06:00 最終更新日:2024.07.29 06:00

「魔女狩りと同じ」「“武士の情け” 求めよ」四面楚歌の兵庫県知事に舛添要一&米山隆一元知事がアドバイス「身を引く決断も職務」

7月26日、報道各社のインタビューに臨む齋藤知事。壁には知事の名前が入ったユニフォームが並ぶ(写真・時事通信)

 

 パワハラを告発した元兵庫県局長の自殺をきっかけに表面化した、齋藤元彦同県知事(46)をめぐる疑惑。県内の特産品を求める “おねだり”、プロ野球優勝パレード費用のキックバックなどが取り沙汰され、パレードの担当者も自死していたと見られることが明らかになった。

 

 辞職を否定する齋藤知事に対し、2016年に政治資金疑惑が報じられ、約40日後に辞任した元東京都知事の舛添要一氏(75)はこう語った。

 

「私のケースでは、東京地検が調べた結果、国会議員時代の5年間で30万円分、政治資金収支報告書に私的な支出を記載したミスがありました。しかし、知事時代に誤記載はなかったんです。でも当時は何を言っても、誰も聞く耳を持ってくれない。報道がすべて正しいという流れでした。

 

 

 そんな自分の経験からも、全体像がわからないなか、一斉に齋藤知事を叩く方向に向かうのは、中世の魔女狩りと同じで危険だと感じます。

 

 私が辞任したのは、後に参議院選挙が控えていたから。知事職にとどまっていては、私を推薦していた自民党が負けてしまうという判断から、身を引くことにしました。

 

 齋藤知事は、日本維新の会が推薦候補とし、自民党がこれに追随しました。自民党は辞職を求めていますが、静観している維新も『辞めろ』と言った場合、齋藤知事は辞めざるを得ないでしょうね。

 

“おねだり” についてですが、私は都知事時代、毎日のように地元の方が持参された特産品をテレビカメラの前で食べて、『美味しいですよ』と宣伝していました。多摩の木材を使った椅子とテーブルを知事室に置き、来客にPRするのも立派な知事の仕事でした。

 

 だから、この報道を聞いてまず思ったのは、知事が “おねだり” するまで特産品を持ってこない兵庫県の職員のほうが、おかしいということ。ほかの知事の皆さんも感じているはずですが、叩かれるのが嫌で誰も言わないんです。

 

 また副知事や幹部、議会がしっかり機能していたら、亡くなった方は内部告発する前に、彼らに知事を説得してもらって、解決できた問題だったかもしれない。兵庫県の体質にも問題があるように思います。

 

 齋藤知事に説明責任があるのは当然ですが、テレビを入れた記者会見では冷静な話ができません。文書で回答する形がいいと思います」

 

 一方、2018年に女性問題が報じられる前日に、新潟県知事を辞任した米山隆一衆議院議員(56)はこう話す。

 

「僕の場合は、公民権停止とかになるわけではなかったので、自分が『辞めない』と決めれば辞める必要はなかったのです。

 

『議会に不信任決議を出されたら困るな』とは思いましたが、僕にも解散権がありましたから。

 

 すごく悩みましたが、結局最後はリーダーがリーダーシップを取れなくなったら、辞めるべきだと思ったんです。格好よく言えばね。

 

 齋藤さんも僕と同様に、続けようと思えば続けられますし、議会には支持する維新の議員が一定数いて、不信任決議案には賛成しないでしょう。

 

 ただ、こんなことを起こした知事に、人は式典で祝辞を述べてほしいとは思わないし、小中学校の行事にも呼べないし、新しい政策を出しても、誰も協力してくれなくなるでしょう。リーダーの役割はもう果たせないと思うんです。

 

 身を引く決断をするところまでが知事の職務。自業自得ではあるけれど、齋藤さんは泥を被る気持ちで身を引くべきです。

 

 パワハラに関しては、自殺された方の告発文に『20メートル歩かされただけで怒鳴り散らした』と書かれていたことが報じられています。こんな話が出てくるのは、度を越しています。きちんと説明しなければならないと思います。

 

 僕自身も当時、自分のスキャンダルを認めて説明しました。それはとてもつらいことでしたが、同時にそのとき『日本には「武士の情け」という言葉もございます』とも言いました。

 

 もし齋藤さんがパワハラや “おねだり” について詳細に説明できないところがあるのであれば、せめて『本当に過ぎた言動があった。心からすまないと思っている』と、全面的に謝罪したうえで、『武士の情け』を求めるべきだと思います。そういう者の命まで、人は取ろうとはしません。そのほうがむしろ、齋藤さんの尊厳は守られます。

 

 僕は、まわりの友人たちから『絶対に次があるから、ここで降りたほうがいい。傷が少なくて済む。そうすれば次の可能性が残る』と言われ、決断ができた面があります。スパッと辞めたから次の芽が出たんだろうし、選択としておそらく間違っていなかったと思います。

 

 齋藤さんがもし、『自分にはまだ、なすべきことがある』と思っているなら、時期が来たら、たった一人で筵旗(むしろばた)を立ててでも選挙に出ればいい。今は『職責を果たせ』ということです」

 

 経験者だから言える重い “助言” だ。

( 週刊FLASH 2024年8月13日号 )

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