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「人権侵害」児童150人の「財布の中身」を無断調査した教員に非難轟々…専門家が指摘「“ブラック管理”は夏休みにも多発」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.08.02 20:30 最終更新日:2024.08.02 20:31
8月1日、「読売新聞オンライン」は、2024年5月に兵庫県西宮市立の小学校が実施した修学旅行での、教員の不適切な行為を報じた。
修学旅行に引率した複数の教員が、参加した6年生約150人全員の財布を預ったうえで、生徒に無断で中身を調べていた。
さらに、4000円とした小遣いの上限を超えて、現金を持参した生徒がいたとして、旅行中に生徒に反省を求めたという。
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「市教育委員会は、6月20日に不適切な行為だったとして、当該校の校長に口頭指導しています。そして、学校側も保護者に謝罪したとのことです。しかし、この教師らの行為には、生徒のプライバシー侵害を心配する声が多くあがっています」(週刊誌記者)
このニュースが報じられると、X上には教員らへの批判が殺到する事態になっている。
《非常識かつ無意識の人権侵害。普通は無断で他人の財布の中を見てたら、窃盗未遂って言われても仕方ないですよ?》
《子どもの人権について微塵も認識がないんだな》
《「行き過ぎた管理」です。教師と言えども他人です。生徒の財布の中身まで管理する権限はありませんよね。子どもの自立を学校や教師が阻害しているとさえ思います》
昨今では「ブラック校則」という言葉が登場しているように、過剰な生徒への管理を問題視するような事例がたびたび報じられている。しかし、それでもこういった“昭和体質”のような教員の行動は、全国のどこかで発生しているのだ。
なぜ、教員は他校の“炎上事例”などを省みずに、行き過ぎた指導、管理を続けてしまうのか。
名古屋大学大学院の内田良教授(教育社会学)は、次のように話す。
「さすがに、財布を無断で見るというのは行き過ぎた行為だと思いますが、学校は基本原則として『何かトラブルが起きたらどうしよう』と、先を見越して手を打っているというのが現状です。
以前、話題になった“ツーブロック禁止”という校則なども、東京都教育長が言っていたのは『ツーブロックで街なかに行くと絡まれるんだ』ということでした。起こるか起こらないかはわからないけれども、いろいろなトラブルを未然に防止するんだ、という意識が非常に強いんですね。
一方で、実際にトラブルが起きたときに、学校が対応しなければいけないという対応のたいへんさもあるのでしょう。今回なら、たとえば『お小遣い上限4000円』という“推奨”を、保護者にもきちんと説明して、共有するべきだったと思います」
内田教授は、教員による踏み込みすぎた“管理”は、「夏休み」でも散見されると語る。
「生徒の夏休み期間の家での過ごし方を、学校が決めてしまっているんです。たとえば『カラオケに行くな』とか『友達と宿泊するな』といった指導が出ます。
これは明らかに、制度上おかしな越権行為です。だから、学校がそういった子どものさまざまな側面に“土足で踏み込む”ということが常態化しているので、今回の財布のケースもそのうちのひとつでしょう。普通の感覚からするとあり得ない行為を、教員側は『えっ、なんで?』という受け止め方をすることも多いんです。
結局、校則やチェックというのは『子どもは何するかわからん』という不信感のもとでやっている。もう少し、その部分を子どもの自主性を委ねるということは考えてもいいかなと思います」
行きすぎた管理を生まないためにも、学校、生徒、保護者、それぞれの理解が必要だろう。
( SmartFLASH )