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北朝鮮機が日本に亡命してきたらどうするのか極秘マニュアル入手

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.12.15 06:00 最終更新日:2017.12.15 06:00

北朝鮮機が日本に亡命してきたらどうするのか極秘マニュアル入手

 

 本誌は、1通の極秘文書を入手した。2013年12月に航空自衛隊が作成して各部隊に配布した「北朝鮮からの亡命等に対する初動対処要領」と題された10ページに及ぶ文書である。元空将の織田邦男氏によれば、「これは戦闘機など北朝鮮機の日本亡命を想定した対応マニュアルだと思います」というのだ。

 

 11月13日、南北軍事境界線上にある板門店で起きた北朝鮮兵士の亡命。40発以上の銃弾を受けながら、逃れてきたことは衝撃を与えた。日本にとっても対岸の火事ではないと、「コリア・レポート」編集長の辺真一氏は語る。

 

「韓国の戦争記念館には、北朝鮮から亡命してきたミグ戦闘機が展示してあります。日本では、1976年に旧ソ連防空軍のベレンコ中尉が、ミグ25戦闘機で函館空港に強行着陸した事件がありました。以降自衛隊内で、そういうケースを想定していても、なんら不思議ではありません」

 

 文書のほとんどは、“墨塗り” 状態。だが文書の冒頭には「北朝鮮から本邦に接近する亡命機」に対処すると書いてある。実際に北朝鮮からの亡命にどう対処するのか。織田氏によれば、自らの経験上、文書には次のような手順が書かれているだろうと指摘する。

 

(1)亡命機が領空に接近してきたら、空自の戦闘機は国際慣例に従って無線で警告する。
(2)それでも接近する場合、今度は両翼を上下に振る機体信号で「我に従え」と伝える。
(3)着陸させる基地上空まで誘導して、手信号で「降りろ」と命じる。

 

「亡命機が素直に従えばいいが、急に攻撃に転じたりする可能性もある。そうした事態に対処するために、空自の戦闘機は必ず2機出動します。1機が誘導して、もう1機が援護する態勢です。実際に空自は亡命機に対する訓練をしているはずです」(織田氏)

 

 文書には「配布先」の表もある。第6航空団司令(小松基地)、第23警戒群司令(輪島分屯基地)、第4高射群司令(岐阜基地)などの名が並び、亡命への対処は日本海に面した小松基地が主導する態勢であることがわかる。

 

「北朝鮮から日本に亡命するなら、日本海側の場所を目指します。直接韓国へ亡命しようとすると、今回の板門店でのケースのように、北朝鮮軍に追撃される可能性が高い。ミグ29戦闘機など『足の長い』(航続距離の長い)機種なら、北朝鮮軍の追撃を避けて、日本海を渡ることができます」(織田氏)

 

 北朝鮮軍人の亡命は今後も起こる可能性があると前出の辺氏が言う。

 

「板門店をはじめ38度線近くに配置される部隊は、エリート揃いのはずです。それほど兵士の間に、金正恩体制に対する絶望が広がっているのです。北朝鮮の兵士には、生きるために強盗を犯すなど、違法行為に手を染めている者も少なくありません。処罰を恐れて、亡命を決断する兵士がいるのです」

 

 北朝鮮の軍人が日本に助けを求める日は、そう遠くない。

 

(週刊FLASH 2017年12月5日号)

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