「総裁選が始まれば、できれば私は全員揃って石川県に来て、この能登半島地震の現状と課題、そして、どう対応するのかという見通しを、私と論争してほしいなと思います」
8月21日の記者会見で、記者から自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)について問われた石川県の馳浩知事はこう述べ、自ら候補者に被災地の状況を説明する意思を明らかにした。
同時に、立憲民主党の代表選に立候補する議員にも同じ要望をした。
【関連記事:「理解不能」馳浩・石川県知事の“2週間待機”災害対応に「3・11」を指揮した2人が怒り「自衛隊との連携に疑問」】
まもなく、能登半島地震が発災してから8ヶ月になるが、8月21日現在、1次避難所に494人、スポーツセンターなど1.5次避難所に18人、旅館・ホテルなどの2次避難所に357人の被災者が避難を余儀なくされている。
「ほかにも農地のビニールハウスなどに『自主避難』している被災者もいるようです。倒壊家屋の撤去も進んでいません。報道によると、7月1日時点で公費解体の申請総数は2万棟を超えていたものの、完了したのはわずか4%だったそうです。
県は2025年10月の解体完了を目指していますが、解体業者も足りていないため、達成は不透明です。県民からは『復興はいつになるやら』などの呆れ声が聞こえます」(週刊誌記者)
そうしたなか馳知事は、7月25日に「障害のある方々など所得の低い方が1次避難所で滞留している」と発言。2次避難所にいる被災者についても「言いづらいがホテルにいたほうが楽。『もう自宅に戻れますよね』と言っても、なかなか戻るに戻れない人もいる」と発言して批判が殺到した。のちに「言葉が過ぎた。表現に気をつけたい」と謝罪したが、やむなく避難している住民の現状を軽視する発言が、県民の怒りを買ったことは言うまでもない。
このような“前科”のためだろうか、「総裁候補と論争したい」という発言についても、Xにはこんな意見が投稿されていた。
《馳知事、石丸化。今更論争ですか》
《論争する前に行動しろ》
《総裁候補と議論する前に、被災者や復興を受け持ってくれてる業者と議論する方が先じゃないですか?》
《論争の前にやることがあるでしょう。被災住民の要望を聞いて、国に要求を上げ続けること》
知事のずれ具合に総ツッコミの様相だ。
さらに馳知事は会見で「すべての総裁候補者に自分の言葉で語っていただいて、原稿を読まずに、候補者同士のクロストークも期待したいなと思っています」とも語ったが……果たして馳知事は被災者との「クロストーク」ができているのだろうか。
( SmartFLASH )