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石破茂氏、世論調査は人気も総裁になれぬ“不遇の歴史”自民党員しか投票できない総裁選に「イライラするだけ」国民の不満

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.08.29 20:15 最終更新日:2024.08.29 20:16

石破茂氏、世論調査は人気も総裁になれぬ“不遇の歴史”自民党員しか投票できない総裁選に「イライラするだけ」国民の不満

 

 自民党石破茂元幹事長は、8月24日、地元の鳥取県八頭町で5度めとなる党総裁選挑戦について「38年間の政治生活の集大成で、最後の戦い」と語り、立候補を表明した。

 

 コラムニストの唐沢俊一氏は26日、自らのXにこう投稿した。

 

《自民党員しか投票出来ない総裁選で世論調査があてになるなら、石破茂がとっくに何度も首相になっとるわな》

 

 たしかに唐沢氏が指摘するように、石破氏は自民党総裁選をめぐる世論調査において、これまで高い支持率を誇ってきた。しかしながら、一度も総裁選に勝利したことがない。

 

 

 石破氏が出馬した過去4回の自民党総裁選を振り返ってみたい。 ※以下、カッコ内は当時の年齢。

 

●1回め 2008年9月22日

 

 福田康夫内閣で防衛大臣に就任した石破氏は、福田氏が任期途中で総裁を辞任したため実施された総裁選へ出馬した。立候補者は石原伸晃氏(51)、小池百合子氏(56)、麻生太郎氏(68)、石破氏(51)、与謝野馨氏(70)の5人。

 

 産経新聞とFNNの合同世論調査(9月10・11日)では、麻生氏が37.2%でトップ。2位は石原氏の13.8%、以下13.0%の小池氏、8.6%の与謝野氏、石破氏は最下位の5.3%だった。選挙結果でも最下位に沈んだ。

 

●2回め 2012年9月26日

 

 石破氏がもっとも総裁へ近づいた選挙だった。自民党が下野していた時代の、谷垣禎一総裁の任期満了に伴う総裁選。都道府県の地方票の比重が高くなった選挙で、国会議員票198票、地方票300票で1回めが争われ、上位2名による決選投票は議員票のみで実施された。立候補者は安倍晋三氏(58)、石破氏(55)、町村信孝氏(67)、石原伸晃氏(55)、林芳正氏(51)の5人。安倍氏は再登板を目指しての出馬だった。

 

 毎日新聞の世論調査(9月15・16日)では、石破氏が32%でトップ、2位が石原氏の21%、以下19%の安倍氏、5%の町村氏、3%の林氏の順だった。朝日新聞の世論調査(9月8・9日)でも、石破氏が23%でトップ。2位が石原氏の19%、以下安倍氏13%、町村氏4%、林氏2%だった。

 

 1回めの結果は、石破氏が199票で1位、安倍氏が141票で2位、世論調査で2位につけていた石原氏は3位だった。地方の党員票で1回めはリードした石破氏だったが、議員票のみの決選投票で安倍氏108票、石破氏89票とわずかに及ばず、勝利を逃した。

 

●3回め 2018年9月20日

 

 前回の2015年の総裁選は、無投票で安倍晋三氏が再選された。「安倍1強」と言われ、選挙に強い安倍氏にただひとり立ち向かったのが、石破氏だった。安倍氏63歳。石破氏61歳。2人のガチンコ対決だ。

 

 共同通信社の世論調査(8月25・26日)「誰が次期総裁になるのがふさわしいか」では、安倍氏が36.3%、石破氏31.3%で安倍氏に先行を許した。

 

 選挙近くの産経新聞とFNNの合同世論調査(9月15・16日)では、安倍氏49.6%、石破氏39.6%と水をあけられ、総裁選では地方票で検討を見せるも安倍氏553票、石破氏254票と、ダブルスコア以上の差で敗れた。

 

●4回め 2020年9月14日

 

 安倍氏が持病の再発で辞任を表明したことでおこなわれた。石破氏(63)、菅義偉(よしひで)氏(71)、岸田文雄氏(63)の3人が立候補した。

 

 共同通信社の「次の首相に誰がふさわしいか」の電話調査(8月29・30日)では、石破氏が34.3%でトップ。菅氏が14.3%、岸田氏が7.5%だった。日本経済新聞とテレビ東京の世論調査(8月29・30日)でも、石破氏がトップで28%。菅氏は11%、岸田氏は6%だった。

 

 ところが、7派閥のうちの5派閥が菅氏支持を打ち出したためか、毎日新聞と社会調査研究センターの「あなたが投票できるとしたらだれに投票しますか」の世論調査(9月8日)では、菅氏が44%、石破氏が36%と逆転された。岸田氏は9%。

 

 結果は、派閥の支持に支えられた菅氏が過半数を獲得し、1回めで当選。石破氏は3位だった。

 

 自民党のベテラン秘書が言う。

 

「世論調査は、国民の人気投票的な側面が強いので、自民党員の票と比べること自体がナンセンス。ただし、これだけ自民党が政治不信を招いている状況では、国民に人気のある総裁、総理で総選挙を戦いたいと思うのは当然のことなので、今回は党員票も世論になびく傾向になるかもしれない」

 

 政治担当記者はこう話す。

 

「2回めは惜しかったのですが、やはり自民党の国会議員の仲間が少ない、という弱点が露呈してしまいました。国民人気はあるのに、総裁選で勝てないのは、その点に尽きるとも言えます。ただし、今回は安倍派をはじめとする派閥の裏金問題があり、派閥がほぼなくなりましたので、石破氏にはかなり有利に働くとみられています。ただし、前回までは『小石河連合』として組んでいた仲間、小泉進次郎氏と河野太郎氏がそれぞれ出馬します。とくに進次郎氏の出馬によって、『今度こそは総裁になる』という石破氏の計算は大きく変わってしまったかもしれません」

 

 世論調査でも大きな変化があった。

 

 日本経済新聞とテレビ東京の世論調査(2024年8月21・22日)で、進次郎氏が23%と、18%の石破氏を抜いて、トップに踊り出たのだ。7月26~28日の同調査では、1位石破氏24%、2位進次郎氏15%だったのだが……。

 

 自民党員以外の国民に投票権がない自民党総裁選には、Xでもこんな声があがっている。

 

《投票が出来ない自民党総裁選をいくら取り上げたってさぁ、イライラするだけ》

 

《自民党総裁選のことテレビでやる必要あるのかなって思っちゃう。国民は投票できないから決まったら教えてっ感じ》

 

《国民のたった1%しか投票出来ない自民党総裁選を連日連夜マスコミは大報道!!》

 

 石破氏の5回めの挑戦には、果たしてどんな結果が待っているのだろうか。

( SmartFLASH )

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