自民党は来年夏の参議院選比例代表で山東昭子前参議院議長ら3人を公認すると発表した。山東氏は現在82歳。党の内規で決まっている70歳定年制に触れるが、「余人をもって代えがたい」という理由で例外扱いになったという。すでに2013年から例外扱いになっており、2019年に続いて3回目の特例になる。
「山東さんには看護師の政治団体である日本看護連盟など、介護福祉系の複数の支援団体がありますが、現実的には山東さんでなくても支援は期待できます」
とは、大手紙の政治部記者の解説。ではなぜ“引退”をさせないのか。
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「現在の麻生派は山東派(旧番町政策研究会)が合流してできた派閥で、山東さんは現在、同会顧問です。しかし、旧山東派で参議院議員の大家敏明さんが衆議院福岡9区への転身を目指しており、新人の地元市議の擁立を目指す麻生太郎副総裁と、派内で対立しているとされます。山東さんも参議院議員として最多、当選8回の実力者です。岸田文雄首相が麻生派を結束させないようにくさびを打った形です。いわば“分裂工作”ですね」(同前)
じつは山東氏と麻生氏の間では、今井絵理子参議院議員をめぐる火種もくすぶる。
「昨年11月、大家さんと今井さんのパーティーが同日にありました。麻生さんは今井さんのパーティーにだけ出席した一方、山東さんは両方のパーティーに出席したものの、挨拶に登壇したのは大家さんのパーティーだけです。背景には山東さんと今井さんの仲違いがあります。今井さんが初当選した当初、山東さんは今井さんを逸材と呼び、後継者に据えるつもりだったのですが……」(同前)
“仲違い”の原因は、今井の“内縁の夫”だ。
「元神戸市議会議員の橋本健氏ですね。2017年、今井さんは橋本氏との不倫疑惑を週刊誌に報じられました。新幹線の車内で隣り合って座り、手を繋ぎながら今井議員が爆睡する写真が掲載されました。当時橋本氏は妻帯者だったので、不倫ではないかと報じられたのです。当人たちは不倫を否定したうえで、橋本氏は離婚。現在は同棲しているそうです。
しかし今井さんと橋本さんの関係について、山東さんが諫言したところ、今井さんが山東さんを避けるようになり、最近はもっぱら麻生さんに今後の相談をするようになりました。当然、山東さんは今井さんの態度に不快感を持っています。今回公認されたことで今井さんの改選時は、まだ山東さんが依然として派閥のナンバー2を占めていることになります。支援団体などの斡旋はないと思われるので、比例区のままなら今井さんの落選は決定的ですね。態度を改めて“ボス”に頭を下げるしかなさそうですが……」(同前)
何よりの懸念は、こうした党内の人間関係に国民が振り回されかねないことだ……。
( SmartFLASH )