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水道管は補強されず道路もガタガタ…能登地震の爪痕が「水害」被害を悪化させた!被災者も「見捨てられたのか」怒りの声

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.09.24 19:30 最終更新日:2024.09.24 19:30

水道管は補強されず道路もガタガタ…能登地震の爪痕が「水害」被害を悪化させた!被災者も「見捨てられたのか」怒りの声

復興作業に当たる自衛隊員(写真・梅基展央)

 

 9月21日に起きた能登半島での水害。県内では、23日午後3時時点で7人の死亡、6人が行方不明となっている。1月1日には、最大震度7に及ぶ大地震に見舞われ、復興作業もままならないなかでの新たな災害に、現地では悲鳴があがっている。

 

 地震に見舞われた珠洲市でも、水害の被害は甚大だった。本誌が現地に赴くと、河川の土手が崩れ、今にも流されそうな一軒家をいくつも確認できた。川にむかって家が大きく傾いているのだ。

 

 市内には、地震で倒壊し、そのままになっている家屋がいくつも残っている。ボランティアで炊き出しをしていた地元の住人がこう話す。

 

「珠洲市は、とにかく復旧が遅いんです。今回の水害でもなかなか自衛隊が来てくれませんでした。人口が少ないこともありますが、『見捨てられたのか』と言いたくなります」

 

 1月の震災で、一時は11万4000戸あまりが、珠洲市でも約4000戸が断水した。5月になって、奥能登の約4000戸以外は復旧したが、断水が解消したとされる地域でも、水道が使えない家は多かった。

 

 

 現地住民がこう続ける。

 

「市は、地震後に水道が復旧したと言っていますが、本管が通っただけで、それぞれの家庭にまで水が行ったかといえば、そうじゃないんです。いまだ水道が出ない家庭もある。

 

 行政は復旧工事の期限を決めているので、まだ復旧していないのに、期限を過ぎたら工事を終わらせてしまうんです。おかしいでしょ。

 

 それに、『珠洲市に避難所はもうない』と言っていますが、公民館に移動させただけです。珠洲市に対して、いろいろなところから支援しますという声はあるのですが、なぜか市が断っているとも聞きます。市は復旧・復興をちゃんとやっているから、ということなんでしょうか。

 

 いずれにせよ、珠洲市の復旧はまだまだです。それなのに、また水害で被害が出てしまった。市はどう考えているのでしょうか」

 

 今回の水害でも、珠洲市内各地で断水が続いている。23日には給水活動が始まったとも報じられているが、先の見通しができない状況だ。

 

 現地を取材した記者は、地震の復興の遅れが、今回の水害にも大きな影響を及ぼしていると感じた。

 

「水道管の補強など、地震からの復興が進んでいたら、水害の被害はもっと少なく済んだと思います。今回、大雨や土砂崩れで断水したところも、もしかしたら断水しなくて済んだかもしれない。

 

 また、珠洲市に限らない話ですが、道路の舗装の遅れもひどいんです。ひび割れたところを応急処置的に舗装している場所が多く、高速道路を走っていても、凸凹がひどくて車がジャンプするんです。新しい道路ができても、崩れた道路を迂回するようなかたちですから、まともな交通網ではありません。

 

 道路網のひどさが、救助や復旧、物資搬入を困難にしているのは間違いありません。東日本大震災も取材しましたが、震災から9カ月経ってもこのありさまというのは驚きました」

 

 後手後手に回った地震の復興が、今さらのように現地住民を苦しめている。

( SmartFLASH )

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