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【自民党総裁選】「講演会に信徒が参加」高市早苗氏、「街頭演説で言及せず」小林鷹之氏…「推薦人に旧統一教会との接点」報道の2候補に「教団との向き合い方」を聞いた

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.09.27 14:48 最終更新日:2024.09.27 14:48

【自民党総裁選】「講演会に信徒が参加」高市早苗氏、「街頭演説で言及せず」小林鷹之氏…「推薦人に旧統一教会との接点」報道の2候補に「教団との向き合い方」を聞いた

自民党総裁選候補のなかでも旧統一教会問題との接点を持つ推薦人が多いとされる高市早苗氏(左)と小林鷹之氏

 

 自民党総裁選とともに再浮上した旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題。

 

 9月24日付のしんぶん赤旗は、総裁選における計85人の推薦人に、旧統一協会や関連団体との接点が判明したと報じた。候補者のなかで教団と接点を持った推薦人がとくに多いとされたのが、高市早苗・経済安保相と小林鷹之・前経済安保相だ。各候補の推薦人20人のうち、高市氏の推薦人は13人、小林氏の推薦人は12人が教団と関係していたという。

 

 安倍晋三元首相銃撃事件まで、教団は自民党の選挙を支援し、首相自らが教団幹部に「●●を応援してほしい」と依頼することもあった。9月17日付の朝日新聞は、2013年の参院選直前、安倍元首相が教団の会長らと面談し、安倍派(当時)の北村経夫氏(現参院議員)の選挙支援を確認したことについて、写真とともに報じている。教団の組織票による積み上げは6~10万と同紙は見る。

 

 その参院選時に、北村氏の選挙事務所でスタッフとして勤務した福岡県在住のライター・近藤将勝氏は、かねてより教団と保守系政治家の癒着、そしてその是正をメディアに訴えてきた。

 

 近藤氏に取材したところ、やはり高市・小林両氏について懸念を抱いているという。

 

 

「まず高市氏を支援しているのは、おもに日本会議など岩盤保守層ですが、勝共連合と高市氏の思想(反共、選択的夫婦別姓反対、対中国強硬姿勢など)が近く、個人的に支援している信徒が少なからずいるようです。一例ですが、反共運動に熱心なYouTuberの信徒が、8月に福岡市内のホテルでおこなわれた高市氏の講演会に参加し、YouTubeで『すばらしい講演会をもとに高市早苗大臣が評価されるように願います』と発信していました」

 

 コメント欄を見ると、「私も参加しました」といった声が見られ、ほかにも複数の教団関係者が参加しているようだ。とくにこのYouTuberは、コメント欄でも《会場で初めて高市早苗大臣を見たとき天照大御神を思い出しました》と書くほどの絶賛ぶりだ。ただし近藤氏によると、このYouTuberは問題行動が多く、近藤氏の取材に対し、自撮り棒を振り上げて「名誉毀損だ、許さない」と妨害するなど威圧的な言動をおこなっており、福岡の教団幹部も注意喚起しているのだという。

 

 また小林氏については、近藤氏は「8月31日に福岡で小林氏の街頭演説を聞きましたが、小林氏は旧統一協会問題について言及しませんでした」と語る。限られた時間内でさまざまな政策を訴えなければならないという事情もあるだろうが、近藤氏は違和感を持ったという。

 

「小林氏は2018年に、関連団体である千葉県平和大使協議会に祝電を送り、2021年には関連団体が主催するイベント『ピースロード2021』に出席したことが明らかになっています。小林氏と旧統一教会との関係性について疑念を抱いている人は多いはずなので、出馬会見で、旧統一協会問題に『厳しい対応をとる』と発言した以上、街頭演説でも言及すべきだったと思います」(近藤氏)

 

 30年にわたり教団の問題を取材してきたジャーナリストの鈴木エイト氏も、「2013年の参院選前に、安倍晋三首相が旧統一教会トップと自民党総裁応接室で面談し、特定候補への支援について話し合っていたことが発覚した以上、党内の再調査について総裁選でも触れるべき」と口をそろえる。

 

 そこで筆者は、自らが総裁になった際、教団問題とどう向き合うか、高市氏、小林氏に質問した。

 

 高市氏事務所からは、「(教団に対して)厳しい姿勢でのぞみたいと思っております。すでに自民党で決定したとおりです」との回答。しかし、これまで自民党が党所属議員におこなった調査は、自己申告制の簡易的なものにとどまる。さらに筆者が「再調査など新たな方法を考えているか」と尋ねたところ、具体的な回答はなく、福岡市での講演会についても「現地の経済人の方々が主催してくださったものであり、どのような方々を招いたかは事務所側では把握しておりません」というものだった。

 

 小林鷹之氏の事務所からは、期日までに返答はなかった。

 

 党と教団の組織的な関係の有無が焦点になるいま、新総裁はこの問題から逃れられないはずだ。

 

取材・文/ジャーナリスト・深月ユリア

( SmartFLASH )

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