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都知事選で物議の「選挙ポスター」鳥取県が規制条例を可決 再燃する「N国党」批判、法改正が間に合わなかった“事情”
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.10.11 19:55 最終更新日:2024.10.11 19:55
10月10日、鳥取県で全国初とみられる“選挙ポスター規制”条例が可決された。
この条例を生み出すきっかけになったのが、2024年7月におこなわれた東京都知事選挙だ。この選挙では、掲示板に複数の同じ選挙ポスターが貼られたり、営利目的やわいせつと判断されるようなポスターが貼られたりするなどして、問題化していた。
政治担当記者はこう話す。
【関連記事:都知事選「ほぼ全裸ポスター」騒動に選挙管理委員会は「公選法上は問題なし」事前審査ができないワケ】
「東京都選挙管理委員会には苦情の電話やメールが殺到し、職員が対応に追われました。そもそも総務省の規定には『虚偽事項、また他の候補者の選挙運動に関わる内容、法令に触れる内容を除いては制限はない』とあり、そのルールの“穴”を突いたものでした。
NHKから国民を守る党(N国党)の立花孝志党首が『掲示板ジャック大作戦』と称して、同党の候補者のポスター掲示板枠に、寄附者が自由にポスターを貼れる仕組みを作ったことが発端です。風俗業の広告ポスター、ほとんど全裸に近いポスターなども含め、候補者とはいっさい関係のない“倫理観ゼロ”のポスターが、掲示板を埋め尽くしました」
今回の鳥取県の条例には、選挙ポスターの掲示板に、財産上の利益を得るためなど選挙で支持を呼びかける目的以外のポスターや、複数の同じポスターを掲示してはならない、などと明記されている。
条例可決を受け、X上では再度、都知事選でのN国党への批判が高まっている。
《こんな条例なくてもあんなポスターやっちゃいけないのは誰でもわかる。わかってないのは立花孝志だけ》
《一部のなんちゃって政党の愚行が最終的に規制を増やす。》
《都知事選の掲示板で遊んでいるような連中のおかげで、鳥取県で条例が通ってしまった》
《流石に一定の節度は守られると思っていたけど守らなそうにないので先手を打つ形ですね 公選法にも広がってほしいです》
じつは、N国党による問題を受け、国会でも公職選挙法の改正を検討するため、9月4日に自民、公明の両与党と、野党側の立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主の6党による実務者協議が始まった。
与野党による協議が続けられるなか、共産党をのぞく5党は、ポスターの品位保持と候補者氏名の記載を義務づける案で合意した。しかし、共産党は表現の自由を侵害する恐れがあると難色を示していたのだ。
前出の記者がこう話す。
「5党は解散総選挙前に法改正を目指していましたが、10月8日に改正案の臨時国会提出を見送る方針となりました。衆院が解散され、臨時国会が10月9日に閉会しましたから、時間切れというわけです。
国に先んじて、鳥取県では衆院選での適用も視野に入れ、条例が施行される見通しです。引き続き、公職選挙法改正についても議論される予定ですが、10月27日投開票の総選挙では、鳥取県以外ではまだ“穴”が残ったままになっています」
さすがに“悪あがき”はないだろうと願いたい。
( SmartFLASH )