社会・政治
「本当に反省して」政府の“室温28度”原則見直しに指摘続々…「何となく決めた」当時の担当者も“泣きっ面に蜂”の現在
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.11.05 17:15 最終更新日:2024.11.05 17:18
「冷房は28度に」と政府が決めた室温設定がついに見直される。
10月31日、環境省などは政府機関や地方自治体など公共部門の脱炭素化を進めるための関係省庁会議を開いた。そのなかで、これまで「室温28度程度」に設定していた国の庁舎の冷房温度を見直すことに決めた。
同日、環境省地球環境局地球温暖化対策課は、同日開かれたこの「公共部門の脱炭素化等に関する関係府省庁連絡会議」の資料を発表。
【関連記事:「選挙が終わったら石破おろしだ」萩生田光一氏ら “非公認” 組が激昂「裏金議員」がたくらむ衆院選後の “倒閣” 運動】
「政府実行計画の改定について」と題した資料では、室温管理について
《他方、熱中症対策の観点からは、適切な空調温度にするよう国民に呼びかけており、また、民間企業に対して行っていた28度を目安とした運用の要請も現在は行われていない。こうした実情を踏まえ、省エネルギー対策を念頭におきつつも、柔軟な室温管理とすることが重要》
と理由について、記している。政治担当記者がこう解説する。
「『冷房は28度程度』というのは、政府が2021年に閣議決定した実行計画で、官公庁のある霞が関では原則これを遵守していきました。しかし、近年は猛暑が続いており、霞が関で働く各省庁の職員たちからは『28度設定では暑すぎる』といった不満が出ていました。2024年度中に実行計画を改定し、2025年夏から運用、つまり28度にしなくてもいいことになりますが、ちょっと遅すぎる気がします」
もとをたどると、この「冷房は28度」という言葉は、環境省が2005年度から呼びかけている「クールビズ」期間の「冷房使用時の室温28度」という“要請”から一般社会にも浸透してきた。
そのため、官公庁の原則見直しに対して、X上では多くの国民から意見が噴出している。
《環境省は本当に反省してほしいと思ってる》
《室温28度に設定するなんて、本当に頭が悪い! こんなに高いと、いい仕事ができるわけはありません! そんなことをしても、地球温暖化にはなんの影響もありません!》
《このわけわからない設定で日本の生産性がどんだけ落ちたか》
なかには「室温28度」を言い出した人物への“恨み節”も聞かれている。
《科学的根拠も裏付けもない、素人の気分で作った「28℃」の基準も、それを決めたのが盛山正仁元文部科学相(元環境省職員)だったから躊躇してたのかな。今回の総選挙で彼が比例復活も許されず落選したからようやく見直すことにしたのかな。》
元文部科学大臣の盛山正仁氏は、2005年の「クールビズ」導入当時に環境省の担当課長だった。前出・記者がこう話す。
「2017年5月に、首相官邸で開かれた各省庁の副大臣会議において、当時の盛山法務副大臣が自身が担当課長時代に設定した『室温28度』について『科学的知見をもって決めたのではなく、なんとなく始め、独り歩きしてしまった』と発言したのです。
翌日、当時の山本光一環境大臣は『28度には根拠がある』などと火消しに走りましたが、導入時の担当課長だった盛山氏の発言はあまりにも重すぎました。
今回の総選挙で兵庫1区から出馬した盛山氏は、立憲民主党の井坂信彦氏にダブルスコアで敗れ、比例復活もなりませんでした。まあ、盛山氏の呪縛から解放されて28度を見直すことになったわけではないと思いますけど……」
盛山氏にとって、次回出馬時の重しにならなければいいが。
( SmartFLASH )