社会・政治社会・政治

【兵庫県知事選】斎藤元彦元知事 自民の“裏切り支援”と“元局長を攻撃”で勢い増す…稲村候補は「後手すぎる」と支持者ため息

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.11.16 19:18 最終更新日:2024.11.16 21:05

【兵庫県知事選】斎藤元彦元知事 自民の“裏切り支援”と“元局長を攻撃”で勢い増す…稲村候補は「後手すぎる」と支持者ため息

選挙カーに乗り、支持者らに手を振る斎藤元彦前兵庫県知事(写真・馬詰雅浩)

 

「現地はカオスですよ。圧勝できると思っていたらこんなことになるとは……斎藤陣営がここまでの組織選挙をできるとはおもいませんでした」

 

 と、明かすのは兵庫県知事選で、稲村和美氏を推薦する立憲民主党関係者だ。

 

 県議会が全会一致で不信任決議案を可決したのを受けて、失職した斎藤元彦知事。いよいよ、11月17日に出直し選挙の投票が迫っている。

 

 

 現状、「ほぼ支持率ゼロ」(前出・関係者)からスタートした斎藤前知事が、猛烈に追い上げ、先行する稲村候補とは僅差という情勢調査もある。さらに一部メディアの情報では、期日前投票に限れば、斎藤前知事が有利ともされる。大手紙の兵庫版担当記者が明かす。

 

「稲村さんには自民党の多数、立憲、さらに連合など、斎藤さんとは比べ物にならない規模の組織的な応援があります。にもかかわらず、斎藤前知事にここまで迫られているのは、そもそも自民党県議がどこまで本気で稲村さんを推しているかが判らないところがあるからです。

 

 不信任決議を突き付けた以上、斎藤さんに再選されたら自民党県議団の面子が潰れます。一方で、少なくとも稲村さんが知事になるよりは、斎藤前知事のほうが御しやすいのではないか、と考えている自民党の県議がいるのは間違いありません。少なくとも自民党県連としての動きは鈍いですね。稲村陣営からすれば“裏切り”と感じるでしょうが……」(地元紙記者)

 

 自民党兵庫県連は、兵庫県知事選で稲村候補を推薦しているわけではなく、各自の自主投票と決めている。さらに「斎藤前知事の不支持、支援の禁止」という約束すら、土壇場で撤回され、白紙になったという。

 

「県議の一部から、特定の候補者への応援を禁止するのは、憲法違反だという意見が出ました。確かに一理ありますが、要するに『斎藤前知事を応援したい』という勢力がいる、ということでしょう」

 

 先の立憲民主党の県連関係者によれば、こうした“裏切り”の前兆もあったという。

 

「県議は不信任決議を出しているので表立って動けません。なので、自民党の市町村の議団が活発です。じつは斎藤前知事への支援禁止の方針をひっくり返したのは、明石市の市議団の一部。明石市といえば、裏金問題で党員資格停止中の西村康稔衆議院議員の地盤ですが、西村議員とは関係なく、自民党の全国的な支持団体が中心となって、事実上斎藤前知事を応援する形になっています。

 

 神戸市議団の一部は、日本維新の会の参議院議員だった清水貴之候補への支持を打ち出していて、一見、市町村の議員がバラバラに動いている感じですが、感覚的には7対3で斎藤前知事を応援する人が多い印象です」

 

 攻勢に出ている斎藤前知事は追い上げを確信したのか、これまで触れなかった告発文書の作成者で、百条委員会を目前に亡くなった元局長についても街頭演説で触れるようになったという。

 

「斎藤前知事は、『亡くなったことは残念だ』と前置きはするものの、“元局長にも非があった”と示唆するようなことを公然と発言し始めています。

 

 もともとSNSなどで同じような内容の投稿が拡散されていることもあり、また、一部メディアに対して片山安隆元副知事も同じような話をしているので、斎藤前知事の発言が信憑性を持って受け取られるようになっています。ただ、選挙中の発言とはいえ、すでに亡くなった職員の懲戒理由を公にしたようなもの。これだけのリスクをかけたということは、斎藤前知事も勝機を見出しているのではと思います」(前出の記者)

 

 一方、「泥仕合はしない」として、これまで政策中心の訴えを続けていた稲村候補も、斎藤前知事の猛攻を前に明らかに選挙方針を替えているという。

 

「10日にあった斎藤前知事の尼崎市の街宣には3000人近い観衆が集まりました。もともと都市部の有権者の支持は固いと考えていた稲村陣営にとって、稲村候補の地元でこれだけの斎藤支持者が集まったことは意外だったはずです。

 

 そこで、稲村陣営はこれまであまり活用をしていなかったSNSや、都市部の街宣を増やしています。また、すでに拡散されていた稲村候補が外国人参政権を容認しているなどの、間違った情報を訂正するなどの手も打ち始めました。また、告発文書についても、取り扱いを間違えなければ、人が死ぬことはなかったなどと訴えています。

 

 結局、前向きな政策議論ではなく、元局長の死を巡る真偽不明の情報が飛び交う泥仕合になっています。とはいえ、稲村陣営のやることなすことが、すべてが後手にまわってしまった感は否めませんね……」(支援者)

 

 この混乱が17日にすべて収まればよいのだが。

( SmartFLASH )

もっと見る

今、あなたにおすすめの記事

社会・政治一覧をもっと見る