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「103万円の壁」国民民主の撤廃案に自公合意も約束が“空証文”になる可能性…玉木代表“煮え湯を飲まされた”過去

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.12.14 06:00 最終更新日:2024.12.14 06:00

「103万円の壁」国民民主の撤廃案に自公合意も約束が“空証文”になる可能性…玉木代表“煮え湯を飲まされた”過去

国民民主党の玉木雄一郎代表

 

「一歩前進」といえなくもないが……。

 

 12月11日、「年収103万円の壁」の見直しに向け、自民、公明、国民民主3党の幹事長で、合意がかわされた。

 

自民党公明党の税制調査会、政務調査会に熱意がなく、ずっとグダグダの議論が続いていました。これにしびれを切らした国民民主党が、補正予算案反対をチラつかせたため、自民党の森山裕幹事長が剛腕を見せ、合意にこぎつけたのです。

 

 

 そのため、自民党税調の宮沢洋一会長にとっては、寝耳に水。記者団に『釈然としません』と不快感をあらわにしていました」(政治担当記者)

 

 一方、国民民主党の玉木雄一郎代表は得意満面のようで、11日には自身のXに《自民党、公明党、国民民主党の幹事長で以下の点について合意しました。103万円の引き上げは、「来年から」行われること、その際、「178万円をめざす」ことに合意しました》とポスト。さらに、自民党、公明党との合意書も示し、この成果を強調した。

 

「しかし、玉木氏の浮かれ具合とは真逆に、同党内や支持者からは、冷めた反応が多く寄せられています。その理由は、引き上げが『来年から』となっていることと『178万円をめざす』との文言です。これは自民党サイドがゴリ押ししたものですが、実施時期も不明確、金額も『めざす』ということですから、満額の178万円に届かないことも十分、考えられます。そのため、不満が噴出しているのです」(前出・政治担当記者)

 

 政治ジャーナリストの宮崎信行氏も、この合意を辛辣に評価する。

 

「103万円を104万円に引き上げたら、それで終わりとも読み取れる内容です。“空証文”と言っていいかもしれません。

 

 さらに、玉木氏が不倫問題で党の役職停止になっているとはいえ、3党の党首が合意の会談をしないというのも、かなり珍しいケースです」

 

 しかも国民民主党は、自民党に“裏切られた”過去があるのだ。

 

 2023年11月、玉木氏は衆院予算委員会で、ガソリン税を一部軽減する「トリガー条項」の凍結解除を条件に、「令和5年度補正予算案」に賛成する意向を、当時の岸田文雄首相に示し、自民党・公明党・国民民主党による協議が始まった。

 

 だが、国民民主党が予算案に賛成したものの、岸田首相はのらりくらりとして言質を与えなかったことから、玉木氏は「協議を継続することには意味がない」と表明し、交渉は決裂した。

 

「このときは、『国民民主党が自公連立政権に引っ張り込まれるのではないか』といわれたほど、玉木氏は前のめりになっていました。しかし結局は煮え湯を飲まされた形です。今回も、その二の舞になることは十分に考えられます」(宮崎氏)

 

 自民党の老練さを甘くみてはいけないようだ。

( SmartFLASH )

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