社会・政治
年収の壁「123万円」引き上げ提示の自民党・宮沢洋一税制調査会長「誠意見せたつもり」発言に国民猛反発

12月11日、報道陣の取材に応える宮沢氏(写真・共同通信)
12月13日、自民・公明・国民民主3党が税制に関する協議を行った。「年収103万円の壁」の引き上げについて国民民主党が控除額178万円を求めているところ、自民・公明両党は「123万円」とする案を提示。年末調整などを利用して2025年分の所得から適用するとした。これに国民民主党は激しく反発。
党首の玉木雄一郎は自身のXで反論した。
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《自公から123万円の提案があったが「178万円を目指して、来年から引き上げる」との先日の3党の幹事長間の合意をあまりにも軽んじているのではないか。幹事長間の合意を尊重できないのなら、税調会長間ではなく、直接、幹事長間で協議したらいい。話にならない》
国民民主党の古川元久税調会長は「グリーンも全然見えないような距離しか飛んでない」とゴルフにたとえて皮肉ったが、自民党の宮沢洋一税調会長は「私たちとしてもかなり誠意を見せたつもりなんだけれども」と返答。“合意”からわずかばかりの時間でこれほどまでの対立を見せている両党だが、この宮沢氏の回答には“誠意って?”とばかりにXでは怒りの書き込みが相次いだ。
《宮沢洋一は今年74歳ですよ。こんな爺さんに現役世代の事なんて分かるはずがない。何が123万円だよ。完全にふざけてるでしょ。この金額の根拠を出してみろって。ひふみひふみってか。アンヨが上手ですか。もう許さん。次の選挙でチリになってもらいます》
《自民の宮沢洋一(旧大蔵省出身)は「かなり誠意を見せたつもりなんだけれども」と言っています。国民民主の主張を“聞いてやったんだけどな〜“って感じがしませんか?なぜ上から目線?》
《そもそも税金はお前の金なのか? 誠意とは? 誠意を見せる相手は国民であり、国民が納得する形が誠意というものなのでは?》
宮沢氏の発言は総スカンの様子……。
「宮沢氏は、元大蔵官僚で、元経済産業相。伯父は宮沢喜一元総理で、内閣の主要メンバーを財務省出身者で固めたことでも知られる岸田文雄元総理とは従兄弟と、親戚は財務官僚だらけです。今回の発言も、壁の引き上げ額が低ければ税を徴収できる人数は多くなるでしょうから、“財務省寄り”という意味合いに取られて注目されているのでしょう」(全国紙政治部記者)
グリーンまで細かく刻むより、ドライバー一発でワンオン狙ったほうが国民ウケもいいだろうに、なぜ自公両党は20万だけ上げようと思ったのか。今後も3党の攻防は続く情勢だ。