社会・政治
異例の国会「ガラガラ」状態、背景に「派閥解体」で自民党のモラル低下…麻生太郎氏も連続欠席の“意味深理由”とは
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.12.16 14:13 最終更新日:2024.12.16 14:14
「国会のベル音が鳴って5分もすると、議場から出ていく議員で出入り口に行列ができます。多くの議員はそのまま帰ってきませんから、議場はガラガラです」
と、あきれた顔で明かすのは、自民党のベテラン秘書だ。
12月12日、2024年度の補正予算が、衆議院で自公与党と日本維新の会、国民民主党の賛成で可決成立した。第2次石破内閣の発足で幕を開けた国会だが、議場の半分以上を野党議員が占めるようになったことで、議場にも緊張感が増したのか……と思いきや、冒頭のとおり、離席する議員が増えているというのだ。
「離席するのはおもに自民党議員で、党総裁の石破茂首相が前方のひな壇にいるにもかかわらず、堂々と背中を向けて、後方の出入り口に向かっています。たしかに、もともと国会審議中の議員は、採決以外に議場内にこれといった用はありません。とはいえ、答弁する閣僚や、同僚議員と野党議員の質疑に対して、拍手をしたりヤジを飛ばしたりと、議員としての存在感を示せる場所でもあるわけです。
ところが、派閥がなくなったことで、幹部議員に『がんばっていますよ』をアピールする必要がなくなったんですよ。とくに、裏金問題で旧安倍派の議員が大量に落選した影響が大きいですね。旧安倍派は、国会への出席は絶対で、ほぼ“神格化”されていた安倍さんを残して、議場から中座するなんてありえませんでしたから。となるとやはり、圧倒的に石破さんが“なめられている”ということですね。深刻なモラル低下ですね」(同前)
ガラガラ状態の議員席で、とくに関心を集めている“空席”がある。自民党最高顧問の麻生太郎元首相の席だ。
「麻生氏は、11月下旬から12月上旬にかけて、頻繁に欠席しているんですよ。84歳という高齢ではあるものの、健康問題があるとも聞いたことはありませんが……。地元に帰っている様子もないので、都内の私邸にいるものと思われます」(政治担当記者)
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別の政治担当デスクはこう語る。
「自民党本部にも、11月末はほとんど姿を見せていませんでした。数日間、入院していたと聞いています。12日の補正予算案の採決には『這ってでも出る』と宣言していたとおり、無事に姿を見せました。周囲には急性肺炎だったと話しているそうです」
病は気から。ある政治ジャーナリストは、単なる風邪以上に“国会どころではない”麻生氏の悩みを指摘する。
「11月15日、三笠宮妃百合子さまが逝去されたことで、三笠宮家の“継承問題”が浮上しました。本来であれば、麻生氏の妹である信子さまが三笠宮家の当主となりますが、信子さまは長女の彬子さま、妹の瑤子さまとの間に、深い断絶があるのです。2004年に信子さまは、健康上の理由などで寛仁親王邸(現・三笠宮東邸)を“家出”されて以降、宮家を離れたままで、お戻りになるご予定はないそうです。
一方で彬子さまは、父である寛仁さまに皇族としてのなさりようや、ご活動のあり方について大きな薫陶を受けられ、三笠宮家内の祭事は彬子さまが取りしきられるようになっています。宮内庁では、皇室経済法などの規定に基づいて、お三方がそれぞれ世帯主となる形が可能かどうかなど、さまざまな方策が検討されている最中です。親戚であり、党の皇位継承に関する懇談会の会長でもある麻生氏にとって、三笠宮家の今後については、深い苦悩のタネになっているのは間違いありません」
麻生氏がなぜ国会を休んでいたのか、麻生氏の事務所に質問状を送ったが、期日までに返答はなかった。
「問題なのは、麻生氏の欠席そのものではなく、麻生氏が欠席したところで、党内の注目が集まらないことです。麻生派は党内に現存する唯一の派閥で、麻生氏ひとりの求心力で派閥が維持されてきました。しかし、“犬猿の仲”である石破氏が首相になったことで、麻生氏の威信がじわじわと低下しているようです。派閥パーティーも禁止なので、師走恒例の、50万円から100万円のお金を“餅代”として議員に配る風習もなくなりました。まさに、カネの切れ目が縁の切れ目ですよ」(前出・政治担当記者)
岸田政権下での威光は、どこに消えたのか……。
( SmartFLASH )