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「無関係です」成田悠輔氏が“なりすまし”被害に…偽のYouTubeチャンネルは本誌直撃後こっそり修正し「無断使用」継続

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.12.17 16:22 最終更新日:2024.12.17 16:22

「無関係です」成田悠輔氏が“なりすまし”被害に…偽のYouTubeチャンネルは本誌直撃後こっそり修正し「無断使用」継続

自身が関与しないYouTube動画が氾濫している成田悠輔氏(写真・REX/アフロ)

 

 2022年ごろから、テレビコメンテーターとしてもブレイクした経済学者の成田悠輔氏。米国の名門私立・イェール大学のアシスタントプロフェッサーの肩書と歯に衣着せぬ物言いで、注目を浴びている人物だ。

 

「以前ほど地上波テレビ番組には出演していませんが、インターネットを中心に変わらず高い人気があります。Xのフォロワーは社会批評だけでなく、ユーモラスな内容も多く、何かと話題になっている印象で、フォロワーは70万人以上を誇ります」(芸能記者)

 

 

 そんな成田氏だが、2024年7月の東京都知事選挙後にYouTubeチャンネル「ReHacQ-リハック-」の生配信に出演し、同知事選に出馬した前安芸高田市長の石丸伸二氏の質問に答えるなかで「政治とか日本のオフィシャルな部分に興味ない。あまり関わりたくない」「(日本の政治は)おもしろくないし、かっこよくないし」と痛烈なコメントを発していた。

 

 しかし、2024年11月17日に投開票された兵庫県知事選挙の前にYouTubeを覗いていた本誌記者は1本の動画を発見する。

 

 それは《【全てが覆る真実の告白】※とうとう斎藤元彦が今回の騒動について自らの言葉で語り始める「20m歩かされたくらいで怒鳴る訳ない」【さいとう元彦/石丸伸二/立花孝志/兵庫県知事選挙/成田悠輔/ReHacQ】》と、題されたものだった。

 

 投稿したYouTubeチャンネル名は《政治を斬る!!【成田悠輔】》となっており、チャンネルのアイコンとヘッダーの画像には、成田氏の顔写真が使用されている。

 

 動画を再生すると、流れてきたのは兵庫県知事選に出馬中だった斎藤元彦知事と、NHKから国民を守る党(以下、N国党)の立花孝志党首の演説する様子に、片山安孝元兵庫県副知事の発言音声をつなぎ合わせた映像。内容は、斎藤知事のパワハラや“おねだり”などの疑惑が陰謀だと主張する構成になっている。

 

 さらに驚くべきは、チャンネル概要欄や動画の説明欄だ。そこには《成田悠輔先生に直接、ご了承頂き、チャンネル運営しております》と記され、成田氏のプロフィールやSNSアカウントなども掲載されている。また、本人公認チャンネルを名乗っている。

 

 ほかの投稿動画を見てみると、当初は成田氏が出演したインターネット番組の切り抜きを再構成したものが中心だったようだ。

 

 しかし、11月13日に投稿された兵庫県知事選に関連した動画以降は、ほとんどが斎藤知事の発言や、立花党首および浜田聡参議院議員のN国党の主張をなぞるだけで斎藤知事は出演しない動画になっている。

 

「おそらく、反応がよかったために方針転換したのでしょう。13日に投稿した動画の視聴回数が約9.5万回、そして翌日が約22万回とそれまでの同チャンネルにしては“大当たり”の部類かと思われます。そのため、それ以降は立花氏の主張を丸ごと反映した過激な内容になっている印象です」(ITジャーナリスト)

 

 12月16日時点で、同チャンネルの登録者数は約10.8万人。そして、11月30日に投稿したのは、パワハラ告発後に自殺した兵庫県元県民局長のパソコンの中身と謳った画像について語る立花氏やジャーナリストの新田哲史氏の発言をつなぎ合わせたもので、これがチャンネル史上最高の約77万回再生を記録している。

 

 はたして、このチャンネルは実際に成田氏の許可を得て運営されているのだろうか。

 

 11月25日に本誌は成田氏が代表を務める「半熟仮想株式会社」に、同チャンネルのURLなど詳細情報を示したうえで見解を尋ねた。

 

 すると、「成田個人でYouTubeおよびTikTokはやっておりませんのでお送りいただいたYouTubeチャンネルは成田とは無関係です」との回答だった。その後に、なんらかの対応を検討するかを尋ねたが、それに対しては成田氏側からは何の回答も寄せられていない。

 

「無関係」と指摘された同チャンネルの運営者には、どのような言い分があるのか。11月27日に運営者のメールアドレスに、成田氏の回答を伝え、見解を尋ねたが、いっさいの返事がなかった。

 

 しかし、本誌のメール送付から数日後に《政治を斬る!!【成田悠輔】》としていたチャンネル名は《成田悠輔と政治を斬る!!》に変更されていた。

 

 また、YouTubeチャンネルのIDも変更されており、何よりも動画などの説明欄にあった《成田悠輔先生に直接、ご了承頂き、チャンネル運営しております》という、まるで本人が動画内容をすべて把握していたかのような記述は削除されていたのだ。

 

 現在はチャンネルの概要欄に《独自編集部分もございます》とだけ記すなど、こっそりと修正した様子がうかがえる。

 

 それでも、アイコンやヘッダーの画像は成田氏の顔写真のままになっており、成田氏が動画に携わっていると誤解する視聴者はまだまだ多いだろう。

 

 じつは問題のチャンネルはこれだけでない——。

 

 成田氏と運営者への取材後も、YouTubeを調べているとほかにも《成田悠輔と政治をハック【yusuke narita】》という名前で、成田氏の写真を用いて、同氏との関連を匂わせるチャンネルが見つかった。

 

 こちらも動画の説明欄には成田氏のプロフィールが記載されており、11月以降は立花氏の発言や兵庫県政に関する話題の動画をつなぎ合わせたものばかりになっていた。

 

 12月12日、成田氏本人はXで、

 

《YouTubeやTikTokが夢のある仕事みたいに語られてるのはナゾ。まともに収益出てるチャンネルはほぼなく、奇跡が起きた超少数が年収〇億円の小金持ちになるくらい。マジで儲けてるのはGoogleだけ。日本人が海外企業に激辛の歩合制で働かせられてるだけじゃないかな》

 

 と、YouTubeをはじめとする動画プラットフォームに批判的な投稿をしている。

 

 ともかく“なりすましYouTuber”であれば、無関係とはいえ偽情報を止めるためにも成田氏にも何らかの対応をしてほしいところだ。

( SmartFLASH )

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